まことに(真に・実に・誠に・洵に・寔に)

04/05/2012 17:54

1.
アクセント:まことに
間違いなくその状態であることを強調する語。本当に。実に。真実に。げに。しんに。наистина; истински; искрено
その光景はまことに美しいものだった。Гледката беше наистина красива/нещо касиво. まことに申し訳ございません。Наистина много съжалявам; истински се извинявам. まことにありがとうございました。Наистина/истински/искрено Ви благодаря.
2.

まこと(真・実・誠)3.に同じ。
3.
まこと(真・実・誠)1.助詞」。

用例

1.
諒《まことに》委《し》る、深く信《う》くれば、感の応ぜざる无きことを
景戒日本霊異記」9世紀前半
このあいびき先年仏蘭西《フランス》死去した露国では有名な小説家ツルゲーネフという端物《はもの》です今度徳富先生依頼訳してみました訳文我ながら不思議とソノ何んだこれでも原文きわめておもしろいです
九月中旬というころ一日自分さる座していたことあッた今朝から小雨降りそそぎその晴れ間にはおりおり生ま煖《あたた》かな日かげ射してまことに気まぐれな空ら合いあわあわしい白ら雲空ら一面棚引くかと思うとフトまたあちこち瞬く間雲切れしてむりに押し分けたような雲間から澄みて怜悧《さか》し気《げ》に見えるごとくに朗《ほがら》かに晴れた蒼空のぞかれた自分座して四顧してそして傾けていた木の葉頭上幽《かす》かに戦《そよ》いだその聞たばかりでも季節知られたそれ春先するおもしろそうな笑うようなさざめきでもなくゆるやかなそよぎでもなく永たらしい話し声でもなくまたおどおどしたうそさぶそうなお饒舌《しゃべ》りでもなかッたただようやく聞取れる聞取れぬほどしめやかな私語であったそよ吹く忍ぶように木末伝ッた照る曇るじめつくようす間断なく移り変ッたあるいはそこありとあるすべて一時微笑したように隈なくあかみわたッてさのみ繁くないほそぼそとした思いがけず白絹めくやさしい光沢《つや》帯び地上散り布《し》いた細かな落ち葉にわかに映じてまばゆきまでに金色《こんじき》放ち頭《かしら》かきむしッたような「パアポロトニク」(類いみごとなしかも熟《つ》えすぎた葡萄めく帯びた際限なくもつれからみして目前透かして見られた
ツルゲーネフ作・二葉亭四迷訳「あひびき」1888、冒頭)
の如く近來和歌一向に振ひ不申正直に申し候へば萬葉以來實朝以來一向に振ひ不申實朝といふ三十にも足らでいざ是からといふにてあへなき最期遂げられ誠に殘念致しあの人をして十年活かして置いたならどんなに名歌澤山殘したかも知れ不申兎に角に第一流歌人強ち人丸赤人餘唾《よだ》舐《ねぶ》るでも無く固より貫之定家糟粕しやぶるでも無く自己本量ママ屹然として山嶽高き爭ひ日月競ふ實に畏るべく尊むべく覺えず膝を屈する思ひ有之古來凡庸評し來りし必ずなるべく北條憚りて韜晦せしさらずば大器晩成なりし覺え立つにて文學技藝達したらん人間としては下等居る通例なれども實朝全く例外相違無之何故申す實朝器用といふのでは無く力量あり見識あり威勢あり時流染まず世間媚びざる例の物數奇連中死に歌よみ公卿迚も同日には論じ難く人間として立派な見識ある人間ならでは實朝如きある詠みいでられまじく眞淵極めて實朝ほめたなれども眞淵ほめ方まだ足らぬやうに眞淵實朝妙味半面知りて半面知らざりし故に可有之
正岡子規歌よみに与ふる書」1898、冒頭)
この無限空間永遠沈默戰慄させる」(パスカル)。
孤獨恐しい孤獨そのものためでなくむしろ孤獨條件によつてである恰も恐しいそのものためでなくむしろ條件によつてである同じであるしかし孤獨條件以外孤獨そのものあるのか條件以外そのものあるであらうその條件以外その實體捉へることできぬもの、――孤獨まことにかくの如きものであらう思はれるしかも實體性ないもの實在性ないものいへるまたいはねばならないのである
三木清孤獨について」『人生論ノート』1941、冒頭)
2.
まことに雪少しうち散りて、折節とり集めて、さることやは候ひしとよ
(「大鏡平安後期
まことに、ただ人にはあらざりけるとぞ
吉田兼好徒然草」14世紀前半