一(いっ)

01/10/2017 17:44

→「いっ(一・壱・1)

用例

[発表年順]
「一(いっ)」用例(1909)
「一(いっ)」用例(1913)
与謝野晶子/與謝野晶子晶子詩篇全集」1929、冒頭
「一(いっ)」用例(1950年代)
 大宅感想四十一年度国民生活白書示された数字国民一人あたり実質所得十年くらべてなっているという高度経済成長さることながら中間層みられるもの世界中どのよりもズバ抜けて広い九〇パーセント達し上層中間層との階級格差きわめて低く教育教養費娯楽レジャー費日本人生活において異常に重要な地位占めるというような現象アメリカソ連中共などとはまたちがった何か世界史上新しい実験意味するものではないかということであった農村長い後進性から脱して中間層化農家ヵ月当たり現金所得平均都市勤労者ほとんど変わりないという総評傘下組合員子弟まで大学はいっているという数字あげられているわれわれこれ加えておよそ従前主権国家概念とは矛盾するような平和憲法世界さきがけて制定内外現実主義者からその危険警告されながらもあえてこれ守り抜いて人間歴史新しい国家在り方示そうとしてきた日本人激変ぶりをも世界史的な実験一つ数えねばなるまい広島長崎被爆体験無関係ではないにせよ八月十五負けっぷりその後情勢への適応仕方にもナチス・ドイツなどとは異質な民族知恵ようなもの感じられる
石田英一郎日本文化条件可能性――ある辺境文化特質」『日本文化構造』1972)
[発表年未詳・筆者生年順]
 
所謂文壇復活したる蘇峰先生時務一家言引続いて世界変局及び大正政局史論出し更に去年より筆硯新たにして大正青年帝国前途なる公にした始め新聞掲載されて居つたにはどれ丈け世間耳目惹いた知らない十一月初め一部纏まつた著書として公にさるる非常評判を以て全国読書界迎へられ瞬く間数十売り尽した国民新聞云つて居る蘇峰先生盛名国民新聞広告を以て驚くべき多数読者得たといふ固より怪しむ足らぬけれども而かも旬日ならずして売行数ふるといふのは兎にも角にも近来稀なるレコードである是れ丈け沢山読まれたといふ自身既に吾人をして問題たらしめる値打ある況んや蘇峰先生反動思想些《いささ》か擡げんとしつつある今日に於て少からず社会注目惹くべきに於てをや
吉野作造(1878-1933)「蘇峰先生大正青年帝国前途読む冒頭
 もはや一人不幸なインテリ物語瞬間時にしか我々興味惹かない世界散在して生きつづける強力な知識人興味津々たる物語それぞれ結末見通せない巨大なロマンとして我々緊張させつつあるからである強固な知能的一人物或る呼吸停止したという事より多数彼等どのようにして生き生きつつあるその独創的な手段方法絶えず我々驚かし目ざまし活気づけてくれるいかなる突飛な自殺行為いかなる深刻ぶった自殺宣言よりもっと豊富にして怪奇な不慮我々押しつけている自殺に関する発明発見さして進展しない殺人に関する趣向日夜試験されつつあるしたがって各々選ぶ可能性与えられた人々意識するしないにかかわらず常に自己ためにとてつもない工夫こらさねばならない自殺するために国籍移すない生存するために国土から国土渡り歩く人々増加しつつあること想起しただけでも形式めざましい複雑化明らかである