さも(然も)

04/11/2016 18:01

アクセントも]
1.
副詞さ(然)」+係助詞」。
2.

1.から。]
2-1.
そうも。そのように(も)。そのとおりに。

さもあらん
/あろう

2-2.
確かにそれに違いないと思われる
/本当にそれらしいさま。いかにも。まったく。実に。
さもうれしそうな顔をする さもうれしそうに笑う


然もあらばあれ・然もありなん・
さもあれ(然もあれ)・然も言われたり・然もそうず・さもない(然もない)・然もないと・さもなくば(然もなくば)さもなければ(然もなければ)

用例

1.
ねずみまうけて、「天下並びなき婿とらむ。」おほけなく思ひ企てて、「日天子こそ照らしたまふめでたけれ。」思ひて朝日出でたまふ、「もちて候《さぶら》ふみめかたちなだらかに候ふ参らせむ。」申す、「世間照らすあれども会ひぬればなくなるなり婿取れ。」仰せられければ、「まことに。」思ひて黒き見ゆる会ひてこのよし申す、「をも隠すあれども吹きたてられぬればてもなし婿せよ。」言ふ。「さも。」思ひて山風吹ける向かひてこのよし申す、「をも吹き《きくさ》をも吹きなびかすあれども築地《ついぢ》会ひぬれば力なきなり築地婿せよ。」言ふ。「げに。」思ひて築地このよし言ふ、「にて動かぬあれどもねずみ掘らるるとき耐へがたきなり。」言ひければ、「さてはねずみにもすぐれたる。」とてねずみ婿取りけり
無住ねずみ婿取り」『沙石集鎌倉後期
2-1.
女思ひも寄らねば、さも心も得で有るに
  数馬傍輩から、外記自分推してこのたび当らせたのだ聞くや否や即時に討死しよう決心したそれどうしても動かすこと出来ぬほど堅固な決心であった。外記ご恩報じさせると言ったということであるこのはからず聞いたのであるが実は聞くまでもない、外記薦めるにはそう言って薦めるにきまっているこう思う、数馬立ってもすわってもいられぬような気がする自分先代引立てこうむったには違いないしかし元服してからのち自分いわば大勢近習うち一人別に出色扱い受けていないには誰も浴しているご恩報じ自分に限ってしなくてはならぬというのはどういう意味言うまでもない自分殉死するはずであったのに殉死しなかったから命がけ場所やるというのである何時でも喜んで棄てるさきにしおくれた殉死代りに死のうとは思わない惜しまぬ自分なんで先代中陰果て惜しんだであろういわれないことである畢竟どれだけ入懇になった殉死するというはっきりしたない同じように勤めていた近習若侍うちに殉死沙汰ないので自分ながらえていた殉死してよいことなら自分よりもさきにするそれほどことにも見えているように思っていたそれにとうにするはず殉死せずにいた人間として極印打たれたのはかえすがえすも口惜しい自分すすぐこと出来ぬ汚れ受けたそれほど加えることあの外記でなくては出来まい。外記としてはさもあるべきことであるしかし殿様なぜそれお聴きいれになった。外記傷つけられたのは忍ぶこと出来よう殿様棄てられたのは忍ぶこと出来ない島原乗り入ろうとしたとき先代お呼び止めなされたそれ馬廻りものわざと先手加わるお止めなされたのであるこのたび当主怪我するなおっしゃるのはそれとは違う惜しいいたわれおっしゃるのであるそれなんのありがたかろう古い新たに鞭うたれるようなものであるただ一刻早く死にたい死んですすがれる汚れではない死にたい犬死でもよいから死にたい
森鷗外阿部一族」1913)
2-2.
あはれ、さも寒き年かな
和辻哲郎初旅」1972)
人の命は、朝露さも似たり。。。Човешкият живот е като утринна роса ...
(田中均作・
АГОРА СОФИЯ訳「虎月傳」1980)