さして(然して) 副詞

03/05/2016 22:53

動詞さす(指す)連用形さし(指し))接続助詞」からといわれる。]
アクセントして・さして
1.
[下に打ち消しの語を伴って。][придружено от израз за отрицание]
その程度があまり甚だしくない、特別ではない、という意味を表す。取り立てて言うほど。それほど。大して。(не) особено; (не) чак толкова; (не) толкова, че...
さして遜色はないне съм по-зле (от) さして深刻な問題ではないと思うのだが。。。Не мисля, че е чак толкова сериозен проблем. さして困っているわけではないのだから、心配には及ばない。Не е чак толкова притеснително, така че няма нужда да се безпокоиш.
2.

特にそれとはっきりと指して。とりわけ。конкретно... (дадено нещо); по-специално...; най-вече...

→然してもない・さしたる

用例

1.
[発表年順]
 罪過アリストテレス悲哀戯曲用ひしより起原せるものにして独逸語所謂「シウルド」なり日本語重訳して罪過と謂ふ稍々穏当ならざるが如しと雖もアイデアルリアル訳して理想的実写的さへ言ふことあれば是れ差して咎むべきにあらず
 
吾人をして若し罪過定義下さしめば簡明にの如く謂はん欲す曰く
 
罪過とは悲哀戯曲人物悲惨境界淪落せしむる動力《モチイブ》源因なり

石橋忍月罪過」1890、冒頭
 
元慶か、仁和あつたであらうどちらにしても時代さしてこの大事を、勤めてゐない読者平安朝云ふ遠い背景なつてゐる云ふを、知つてさへゐてくれればよいのである。――その頃摂政藤原基経仕へてゐるに、云ふ五位あつた
芥川龍之介芋粥」1916、冒頭
飯田蛇笏「秋風」『山盧随筆』1958、冒頭
[発表年未詳・筆者生年順]
 もはや一人不幸なインテリ物語瞬間時にしか我々興味惹かない世界散在して生きつづける強力な知識人興味津々たる物語それぞれ結末見通せない巨大なロマン一節として我々緊張させつつあるからである強固な知能的一人物或る呼吸停止したという事より多数彼等どのようにして生き生きつつあるその独創的な手段方法絶えず我々驚かし目ざまし活気づけてくれるいかなる突飛な自殺行為いかなる深刻ぶった自殺宣言よりもっと豊富にして怪奇な不慮我々押しつけている自殺に関する発明発見さして進展しない殺人に関する趣向日夜試験されつつあるしたがって各々選ぶ可能性与えられた人々意識するしないにかかわらず常に自己ためにとてつもない工夫こらさねばならない自殺するために国籍移すない生存するために国土から国土渡り歩く人々増加しつつあること想起しただけでも形式めざましい複雑化明らかである
武田泰淳(1912-1976)「新しき知的士族について」)
2.
女をさしてその人とたづねいで給はねば
紫式部源氏物語平安中期
鎌倉殿にさして申すべき大事ども候
(「平家物語」13世紀前半