聞いた(きいた)

18/08/2015 16:17

→「きいた(聞いた・聴いた・訊いた・利いた)

用例

 昨宵《ゆうべ》夜中《よじゅう》で、ばちばち云う聞いたこれ近所にクラパム・ジャンクションと云う停車場おおステーション》のある御蔭であるこのジャンクションには一日うちに汽車いくつか集まってくるそれ細かに割りつけて見ると、一《ひ》と列車ぐらいずつ出入《でいり》するなるその列車深いには、何か仕掛で、停車場間際来ると、爆竹ような立てて相図する信号灯光でもでも全く立たないほど暗くなるからであるЦяла нощ вчера, докато лежах в леглото, в ушите ми отекваше пукот. Това е благодарение на намиращата се наблизо възлова ж.п. гара Калпхам Джанкшън. На този ж.п. възел на ден се събират по 1000 и повече влака. Което, ако се раздели с точност, излиза, че на всяка минута влиза или излиза по един влак. Когато мъглата е гъста, всеки един от тях, посредством някакъв механизъм, щом наближи гарата сигнализира, издавайки звук, подобен на последователно избухващи бомбички. Причината е, че става толкова тъмно, че светлината на семафора – дали зелена или червена – става напълно безполезна.
夏目漱石「霧」『永日小品』1909、冒頭、В превод на Агора София, 2011)
「聞いた(きいた)」用例(1910年代)
 日本古代文化に就て殆んど知識持っていないブルーノ・タウト絶讃する桂離宮見たことなく玉泉大雅堂竹田鉄斎知らないのである況んや、秦蔵六≪はたぞうろく≫だの竹源斎師など名前すら聞いたことなく第一めったに旅行することがないので祖国あのこの風俗山河知らないのだタウトによれば日本に於ける最も俗悪な都市という新潟市生れ蔑み嫌うところの上野から銀座へのネオン・サイン愛す茶の湯方式など全然知らない代りに猥≪みだ≫りに酔い痴≪し≫れることをのみ知り孤独家居いて床の間などというもの一顧与えたこともない
坂口安吾日本文化私観」1942冒頭
 子どもたち集まって何かして遊ぼうとするとき隠れん坊しないで複数オニオニすることには見過ごし難い意味ありそうだ隠れん坊藤田省三或る喪失経験――隠れん坊精神史という論文(『精神史的考察平凡社一九八二所収述べたように人生凝縮して型取りした身体ゲームであるオニひとり荒野彷徨隠れるどこか籠るという対照的な構図あるけれどもいずれも同じ社会から引き離される経験でありオニ隠れていた見つけることによって仲間いる社会復帰隠れたオニ見つけてもらうことによって擬似的な世界から蘇生して社会戻ることができる隠れん坊子ども遊び世界から消えること子どもたち相互役割演じ遊ぶことによって自他再生させつつ社会復帰する演習経験失うということであるたしかに複数オニオニおこなわれているけれどもそれらもはや普通隠れん坊退屈さ救うためにアクセントつけたといったていどことではない
 小学六年男の子から聞いた翻案すれば、「複数オニ演習主題裏切りであるオニつぶってかぞえている子どもたちいっせいに逃げるそれぞれ隠れ場所工夫しても同じ方向逃げれば近くいる同士互いにどの辺隠れている知っているそのとき一方見つかれば即座にオニというスパイ変じて寸秒仲間だった隠れ家あばくことになる近く隠れたとの仲間意識裏切り裏切られる恒常的な不安によって脅かされている連帯裏切りとの相互変換半所属不安産み出しその不安抑えこもうとして裏切り者残党狩りいっそう過酷なものなるオニ聖なる媒介者であることやめて秘密警察転じ隠れる一人ひとり癒し難い離隔深めつつ仲間スパイ抱えた逃亡者集団化す
(川上弘美「センセイ」2001、冒頭