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身分(みぶん)

22/01/2012 23:57

みぶん(身分)

用例

造らず造らず言えりさればより生ずるには万人万人みな同じにして生まれながら貴賤上下差別なく万物たる働きをもって天地あるよろず資《と》りもって衣食住達し自由自在互い妨げなさずしておのおの安楽にこの世渡らしめ給う趣意なりされども広くこの人間世界見渡すかしこきありおろかなるあり貧しきあり富めるあり貴人あり下人ありてその有様相違ある似たるなんぞやその次第はなはだ明らかなり。『実語教、「学ばざればなしなき愚人なりありされば賢人愚人学ぶ学ばざるによりてできるものなりまた世の中むずかしき仕事ありやすき仕事ありそのむずかしき仕事する身分重き名づけやすき仕事する身分軽きというすべて用い心配する仕事むずかしくして手足用うる力役《りきえき》やすしゆえに医者学者政府役人または大なる商売する町人あまた奉公人召し使う大百姓など身分重くして貴きと言うべし
福沢諭吉学問のすゝめ」1872-76、冒頭)
自分この下宿出る週間ほどに、蘇格蘭《スコットランド》から帰って来たその自分主婦によって紹介された二人日本人倫敦山の手の、とある小さな偶然落ち合ってしかもまだ名乗り換した事がないので身分も、素性も、経歴分らない外国婦人藉りてどうか何分頭を下げたのは、考える今もって気がするそのこの令嬢黒い着ていた骨張って脱けたような出してさんこれさん云ったが、全く云い切らない先にまた一本相手寄せてさんこれさんと、公平双方等分引き合せた
夏目漱石「過去の匂い」『永日小品』1909、冒頭)