副助詞・終助詞・並立助詞・係助詞・接尾語

10/09/2015 08:42

[「か」は古《ふる》くは係助詞であった。4.の「か」は、係助詞「や」と違《ちが》って疑問詞含むにも用《もち》いられる。中世《ちゅうせい》後半《こうはん》になり、係り結びが行《おこな》われなくなるとともに両者《りょうしゃ》とも本来《ほんらい》の性質《せいしつ》を失《うしな》い用《もち》いられなくなり、「か」は副助詞、さらに江戸時代以降《いこう》は並立助詞としての用法《ようほう》も一般化する。また、「か」は「や」の衰退《すいたい》に伴《ともな》ってその文末用法《ぶんまつようほう》を拡大《かくだい》し、現代《げんだい》の終助詞としての用法《ようほう》に引《ひ》き継《つ》がれている。]
1.

副助
[種々《しゅじゅ》の
に付《つ》く。]
1-1.
疑問詞に付《つ》いて、または「…とか」ので。]
不確《ふたし》かな
表す。изразява неопределеност
どこかで会ったнякъде се срещнахме 彼も来るとか言っていた。 何のことかさっぱりわからない。Изобщо не разбирам за какво става дума.
1-2.
疑《うたが》いの
気持ちで推定《すいてい》する表す。изразява съмнение, подозрение
何だかおかしい。Някак странно е. 心なしか顔色がさえないようだ 気のせいか彼女の瞳が濡れているように思われる。Може би само така ми се струва, но като че ли очите й са насълзени.
1-3.
[「
かもしれない(かも知れない)」「かもわからない」ので、または「かも」の終助詞のように用《もち》いて。]
不確《ふたし》かな断定《だんてい》を
表す
彼の話はひょっとしたら嘘かもしれない。Думите му може би са лъжа. 急げば間に合うかもしれない。Може и да успея ако побързам. やってはみるが、だめかもわからないからね。Ще опитам, но понеже не знам дали няма да е напразно...
2.
終助
[文末《ぶんまつ》にある種々《しゅじゅ》の
に付《つ》く。文語では活用語の場合《ばあい》その連体形に付《つ》く。]
2-1.

質問《しつもん》・
疑問・確認《かくにん》を行《おこな》う
君も行きますか。И ти ли ще ходиш? 失礼ですが、どなたですか。Извинете, но кой сте Вие? 人間は何のために生きているのでしょうか。За какво ли живее човек? いいか、しっかりやれよ どうしても行くのか。Все пак ще отидеш, така ли?
2-2.

反語
表す。「う」「よう」を受《う》けることが多《おお》い。
そんないいかげんな提案にどうして賛成できようか。Как бих могъл да се съглася с подобно безотговорно/ неоснователно предложение? 果たしてそれで教師といえようか 誰がそんなことをするものか。Кой би направил подобно нещо?

2-3.

難詰《なんきつ》・反駁《はんばく行《おこな》う

本当にそうでしょうか。Дали наистина е така? そんなこと知るものか。Откъде да знам това? 早く起きるように言ったではないか。Не ти ли казах да станеш рано? そんなことをする人がありますか。Има ли човек, който би направил такова нещо. 人の言うことがわからないのか。Не разбираш ли какво ти се говори?
2-4.
「う」「よう」「ない」などを受ける。「…たらどうか」の形をとることもある。
勧誘《かんゆう》・依頼《いらい》・婉曲《えんきょく》な命令《めいれい》など を行《おこな》う
そろそろ行こうか。Ще/да ходим ли вече? コーヒーでも飲もうか。Ще пием ли по кафе? やってみようじゃないか 手伝っていただけませんか。Бихте ли ми помогнали? あれこれ考えるよりやってみたらどう?Вместо да мислиш това-онова, защо не го направиш и да видиш какво ще стане?
2-5.
[多《おお》く「…ないか」ので。]
命令《めいれい》する。заповядвам
はやく歩かないか。Не може ли да ходиш по-бързо! よさないか
2-6.
係助詞の文末用法とする説も。 古語では、多く「も…か」の形をとる。→4-2-4.
驚《おどろ》きや感動《かんどう》の気持ち表す
だれかと思ったら、君だったのか。Чудех се кой ли е, а това си бил ти. そうか、失敗だったのか なかなかやるじゃないか
2-7.
引用《いんよう》した句《く》の意味やある事実を確《たし》かめ、自分自身《じぶんじしん》に言《い》い聞《き》かせる。詠嘆《えいたん》・回想《かいそう》の気持ちが強《つよ》い。
「急がば回れ」か 「春はあけぼの」か、いい文句だな そろそろ寝るとするか
3.
並助
体言用言、その他《た》のに付《つ》く。いくつかのものを並《》ならべあげて、そのうちの一つを選《えら》ばせたり、そのいずれともはっきりしないさまを述《の》べたりするのに用《もち》いる。
3-1.
[「…か…か」または「…か…」ので。]
いくつかの事物《じぶつ》を列挙《れっきょ》し、その一つ、または一部を選《えら》ぶ
これにするかあれにするか、まだ決めていない 生か死か、それが問題だ。Да живея или да умра, това е проблемът. やるかどうかはっきりしろ。Изясни се ще го направиш ли или не. 午後からは雨か雪になるでしょう。От следобяд ще завали дъжд или сняг. それは一度か二度読んだことがある。Това съм го чел веднъж или два пъти.
3-2.
[「…かどうか」「…か否《いな》か」ので。]
疑い表す
公約が守られるかどうか 資格があるか否かが問題だ。Въпросът е има ли или няма квалификация.
3-3.
[「…か…ないかのうちに」ので。]
或る動作《どうさ》と同時《どうじ》に、または、引《ひ》き続《つづ》いて、別《べつ》の動作《どうさ》の行《おこな》われる表す
横になるかならないかのうちに、もういびきをかいている。Легнал, не легнал и вече хърка.
3-4.
[「…か何《なに》か」「…かどこか」「…か誰《だれ》か」ので。]
最初《さいしょ》の「か」の上《うえ》にあると類似《るいじ》・同類《どうるい》のものである表す
ライターか何か火をつける物を貸して下さい。Дай ми запалка или нещо друго, с което мога да запаля огън. 喫茶店かどこかで話しませんか。Да поговорим в някое кафене или някъде другаде.
4.
係助
体言活用語連体形連用形副詞助詞などに付《つ》く。上代では活用語已然形にも付《つ》く。文末《ぶんまつ》の述語連体形で結《むす》ぶ。普通、前《まえ》に疑問詞がくる。
4-1.
文中《ぶんちゅう》にあって係《かか》りとなり、文末《ぶんまつ》の活用語連体形で結《むす》ぶ。
4-1-1.
疑問・不定《ふてい》を表す
4-1-2.
反語表す。「かは」「かも」となることが多《おお》い。
4-2.
文末用法《ぶんまつようほう》。
4-2-1.
疑問表す
4-2-2.
反語表す
4-2-3.
[「てしか」「もが」「(も)…ぬか」「(も)…ぬかも」ので。]
願望《がんぼう》の表す
…(てくれ)ない(もの)かなあ。
4-2-4.
終助詞とする説も。→2.6.
詠嘆《えいたん》の気持ち表す。多《おお》く、係助詞「も」と併用《へいよう》される。
5.
接尾
[状態や性質を表す語または語素(造語成分)に付いて、さらに多くはその下に「に」または「だ(なり)」を伴って,副詞または形容動詞として用いられる。]
そのような状態・性質であることを表す。
おろか しずか のどか いささか さだか

→てしか ・ぬか・もが

用例

1-1.
「か[副助詞・終助詞・並立助詞・係助詞・接尾語]」1-1.用例
1-2.
「か[副助詞・終助詞・並立助詞・係助詞・接尾語]」2-1.用例(1913)
2-2.
夏目漱石坊っちゃん」1906、冒頭
安部公房魔法チョーク1951冒頭
2-6.
浅緑糸よりかけて白露を珠《たま》もぬける春の柳
(「古今和歌集」913)
3-1.
「か[副助詞・終助詞・並立助詞・係助詞・接尾語]」3-1.用例
4-1-1.
いかに思ひて、なんぢら難《かた》きものと申すべき
(「竹取物語平安初期
かかる道はいかでいまする
いづれの御時に、女御更衣あまたさぶらひ給ひける中に
紫式部源氏物語平安中期
4-1-2.
世の中はなにつねなる
(「古今和歌集」913)
桃李《たうり》もの言はねば、たれとともに昔を語らむ
吉田兼好徒然草」14世紀前半
鳶《とび》のゐたらんは、何は苦しかるべき
吉田兼好徒然草」14世紀前半
宿昔青雲の志。さだたり白髪の年。誰知ら明鏡のうち。形影自ら相憐れまとは、誰か知らん明鏡のうち。自ら相憐れまんとは・・・。
(田中均「虎月傳」1980)
4-2-1.
石見《いはみ》のや高角山の木の間よりわが振る袖を妹《いも》見つらむ
(「万葉集奈良時代
皆様機嫌いかがです?Как сте (днес)?
(青木栄瞳(『野生のセロリ』1999)(Ейме Аоки, "Дивата целина" 1999)
4-2-2.
心なき鳥にそありけるほととぎす物思ふ時に鳴くべきもの
(「万葉集奈良時代
4-2-3.
わが命も常にあらぬ昔見し象《きさ》の小川を行きて見むため
(「万葉集奈良時代
4-2-4.
浅緑糸よりかけて白露を珠《たま》もぬける春の柳
(「古今和歌集」913)