副助詞・終助詞・並立助詞・係助詞

20/02/2012 16:49

[「か」は古《ふる》くは係助詞であった。4.の「か」は、係助詞「や」と違《ちが》って疑問詞含むにも用《もち》いられる。中世《ちゅうせい》後半《こうはん》になり、係り結びが行《おこな》われなくなるとともに両者《りょうしゃ》とも本来《ほんらい》の性質《せいしつ》を失《うしな》い用《もち》いられなくなり、「か」は副助詞、さらに江戸時代以降《いこう》は並立助詞としての用法《ようほう》も一般化する。また、「か」は「や」の衰退《すいたい》に伴《ともな》ってその文末用法《ぶんまつようほう》を拡大《かくだい》し、現代《げんだい》の終助詞としての用法《ようほう》に引《ひ》き継《つ》がれている。]
1.

副助
[種々《しゅじゅ》の
に付《つ》く。]
1-1.
疑問詞に付《つ》いて、または「…とか」ので]
不確《ふたし》かな
表す
どこかで会った 彼も来るとか言っていた 何のことかさっぱりわからない。Изобщо не разбирам за какво става дума.
1-2.
疑《うたが》いの
気持ちで推定《すいてい》する表す
何だかおかしいнякак странно е 心なしか顔色がさえないようだ 気のせいか彼女の瞳が濡れているように思われる。(Може би само така ми се струва,но)като че ли очите й са насълзени.
1-3.
[「かもしれない」「かもわからない」の
で、または「かも」の終助詞のように用《もち》いて]
不確《ふたし》かな断定《だんてい》を
表す
彼の話はひょっとしたら嘘かもしれない。Думите му може би са лъжа. 急げば間に合うかもしれない。Може и да успея ако побързам. やってはみるが、だめかもわからないからね
2.
終助
[文末《ぶんまつ》にある種々《しゅじゅ》の
に付《つ》く。文語では活用語の場合《ばあい》その連体形に付《つ》く。]
2-1.

質問《しつもん》・
疑問・確認《かくにん》を行《おこな》う
君も行きますか。И ти ли ще ходиш? 失礼ですが、どなたですか。Извинет,но кой сте Вие? 人間は何のために生きているのでしょうか。За какво ли живее човек? いいか、そっかりやれよ どうしても行くのか
2-2.

反語
表す。「う」「よう」を受《う》けることが多《おお》い。
そんないいかげんな提案にどうして賛成できようか。И защо мислиш, че мога да се съглася с подобно абсурдно предложение? (?) 果たしてそれで教師といえようか 誰がそんなことをするものか。Кой би направил подобно нещо?

2-3.

難詰《なんきつ》・反駁《はんばく行《おこな》う

本当にそうでしょうか。Дали наистина е така? そんなこと知るものか 早く起きるように言ったではないか。Не ти ли казах да станеш рано? そんなことをする人がありますか。Има ли човек,който би направил такова нещо. 人の言うことがわからないのか
2-4.
勧誘《かんゆう》・依頼《いらい》・婉曲《えんきょく》な命令《めいれい》など
を行《おこな》う 。「う」「よう」「ない」などを受ける。「…たらどうか」の形をとることもある。
そろそろ行こうか。Ще/да ходим ли вече? コーヒーでも飲もうか。Ще пием ли по кафе? やってみようじゃないか 手伝っていただけませんか。Бихте ли ми помогнали? あれこれ考えるよりやってみたらどう?Вместо да мислиш това-онова,защо не пробваш да го направиш?
2-5.
[多《おお》く「…ないか」の
で]
命令《めいれい》する

はやく歩かないか。Не може ли да ходиш по-бързо! よさないか

2-6.

驚《おどろ》きや感動《かんどう》の
気持ち表す。古語では、多く「も…か」の形をとる。
だれかと思ったら、君だったのか。Чудех се кой ли е,а това си бил ти. そうか、失敗だったのか なかなかやるじゃないか

2-7.

引用《いんよう》した句《く》の
意味やある事実を確《たし》かめ、自分自身《じぶんじしん》に言《い》い聞《き》かせる。詠嘆《えいたん》・回想《かいそう》の気持ちが強《つよ》い。
「急がば回れ」か 「春はあけぼの」か、いい文句だな そろそろ寝るとするか
3.
並助
体言
用言、その他《た》のに付《つ》く。いくつかのものを並《》ならべあげて、そのうちの一つを選《えら》ばせたり、そのいずれともはっきりしないさまを述《の》べたりするのに用《もち》いる。
3-1.
[「…か…か」または「…か…」の
で]
いくつかの事物《じぶつ》を列挙《れっきょ》し、その
一つ、または一部を選《えら》ぶ
これにするかあれにするか、まだ決めていない 生か死か、それが問題だ。Да живея или да умра,това е проблемът. やるかどうかはっきりしろ。Изясни се ще го направиш ли или не. 午後からは雨か雪になるでしょう。От следобяд ще завали дъжд или сняг. それは一度か二度読んだことがある。Това съм го чел веднъж или два пъти.

3-2.

[「…かどうか」「…か否《いな》か」の
で]
疑い
表す
公約が守られるかどうか 資格があるか否かが問題だ。Въпросът е има ли или няма квалификация.
3-3.
[「…か…ないかのうちに」の
で]
ある動作《どうさ》と同時《どうじ》に、または、引《ひ》き続《つづ》いて、別《べつ》の動作《どうさ》の行《おこな》われる
表す
横になるかならないかのうちに、もういびきをかいている
3-4.
[「…か何《なに》か」「…かどこか」「…か誰《だれ》か」の
で]
最初《さいしょ》の「か」の上《うえ》にある
と類似《るいじ》・同類《どうるい》のものである表す
ライターか何か火をつける物を貸して下さい。Дай ми запалка или нещо друго, с което мога да запаля огън. 喫茶店かどこかで話しませんか。Да поговорим в някое кафене или някъде другаде.
4.
係助
体言
活用語連体形連用形副詞助詞などに付《つ》く。上代では活用語已然形にも付《つ》く。文末《ぶんまつ》の述語連体形で結《むす》ぶ。普通、前《まえ》に疑問詞がくる。
4-1.
文中《ぶんちゅう》にあって係《かか》りとなり、文末《ぶんまつ》の
活用語連体形で結《むす》ぶ。
4-1-1.

疑問
・不定《ふてい》を表す
4-1-2.

反語
表す。「かは」「かも」となることが多《おお》い。
4-2.

文末用法《ぶんまつようほう》。
4-2-1.

疑問
表す
4-2-2.

反語
表す
4-2-3.

[「てしか」「もが」「(も)…ぬか」「(も)…ぬかも」の
で]願望《がんぼう》の表す
…(てくれ)ない(もの)かなあ。
→てしか・もが・ぬか
4-2-4.

詠嘆《えいたん》の
気持ち表す。多《おお》く、係助詞「も」と併用《へいよう》される。

用例

2-1.
住持なんと返事していいわからのでひどく困った。Главният монах, тъй като не знаеше как да отговори, се почувства ужасно притеснен.
森鷗外阿部一族」1913)(МОРИ ОГАЙ “КЛАНЪТ АБЕ” в превод на Нино Калоянов
2-6.
浅緑糸よりかけて白露を珠《たま》にもぬける春の柳
(「古今和歌集」913)
3-1.
都へのぼって、北野、祇園へ参ったとみえて
狂言「目近籠骨《めちかこめぼね》」)
4-1-1.
いかに思ひて、なんぢら難《かた》きものと申すべき
(「竹取物語平安初期
かかる道はいかでいまする
(「伊勢物語平安時代
いづれの御時に、女御更衣あまたさぶらひ給ひける中に
紫式部源氏物語平安中期
4-1-2.
世の中はなにつねなる
(「古今和歌集」913)
桃李《たうり》もの言はねば、たれとともに昔を語らむ
吉田兼好徒然草」14世紀前半
鳶《とび》のゐたらんは、何は苦しかるべき
吉田兼好徒然草」14世紀前半
宿昔青雲の志。さだたり白髪の年。誰知ら明鏡のうち。形影自ら相憐れまとは、誰か知らん明鏡のうち。自ら相憐れまんとは・・・。
(田中均「虎月傳」1980)
4-2-1.
石見《いはみ》のや高角山の木の間よりわが振る袖を妹《いも》見つらむ
(「万葉集奈良時代
皆様機嫌いかがです?Как сте (днес)?
(青木栄瞳(『野生のセロリ』1999)(Ейме Аоки, "Дивата целина" 1999)
4-2-2.
心なき鳥にそありけるほととぎす物思ふ時に鳴くべきもの
(「万葉集奈良時代
4-2-3.
わが命も常にあらぬ昔見し象《きさ》の小川を行きて見むため
(「万葉集奈良時代
4-2-4.
浅緑糸よりかけて白露を珠《たま》にもぬける春の柳
(「古今和歌集」913)