した(為た)

24/10/2017 17:25

動詞する(為る)1.す(為)連用形」+助動詞」。

用例

[発表年順]
 
このあいびき先年仏蘭西《フランス》死去した露国では有名な小説家ツルゲーネフという端物《はもの》です今度徳富先生依頼訳してみました訳文我ながら不思議とソノ何んだこれでも原文きわめておもしろいです
 九月中旬というころ一日自分さる座していたことあッた今朝から小雨降りそそぎその晴れ間にはおりおり生ま煖《あたた》かな日かげ射してまことに気まぐれな空ら合いあわあわしい白ら雲空ら一面棚引くかと思うとフトまたあちこち瞬く間雲切れしてむりに押し分けたような雲間から澄みて怜悧《さか》し気《げ》に見えるごとくに朗《ほがら》かに晴れた蒼空のぞかれた自分座して四顧してそして傾けていた木の葉頭上幽《かす》かに戦《そよ》いだその聞たばかりでも季節知られたそれ春先するおもしろそうな笑うようなさざめきでもなくゆるやかなそよぎでもなく永たらしい話し声でもなくまたおどおどしたうそさぶそうなお饒舌《しゃべ》りでもなかッたただようやく聞取れる聞取れぬほどしめやかな私語であったそよ吹く忍ぶように木末伝ッた照る曇るじめつくようす間断なく移り変ッたあるいはそこありとあるすべて一時微笑したように隈なくあかみわたッてさのみ繁くないほそぼそとした思いがけず白絹めくやさしい光沢《つや》帯び地上散り布《し》いた細かな落ち葉にわかに映じてまばゆきまでに金色《こんじき》放ち頭《かしら》かきむしッたような「パアポロトニク」(類いみごとなしかも熟《つ》えすぎた葡萄めく帯びた際限なくもつれからみして目前透かして見られた
「した(為た)」用例(1900年代)
「した(為た)」用例(1910年代)
「した(為た)」用例(1920年代)
伊丹万作映画界手近問題」1936、冒頭
「した(為た)」用例(1940年代)
「した(為た)」用例(1980年代)
曽我蕭白は、奇想天外の魂をもち、異端の名をほしいままにした、江戸時代中期の絵師である。
(青木栄瞳「野生のセロリ」1999(Ейме Аоки, "Дивата целина" 1999))
[発表年未詳・筆者生年順]
 
所謂文壇復活したる蘇峰先生時務一家言引続いて世界変局及び大正政局史論出し更に去年より筆硯新たにして大正青年帝国前途なる一篇公にした始め新聞掲載されて居つたにはどれ丈け世間耳目惹いた知らない十一月初め一部纏まつた著書として公にさるる非常評判を以て全国読書界迎へられ瞬く間数十売り尽した国民新聞云つて居る蘇峰先生盛名国民新聞広告を以て驚くべき多数読者得たといふ固より怪しむ足らぬけれども而かも旬日ならずして売行数ふるといふのは兎にも角にも近来稀なるレコードである是れ丈け沢山読まれたといふ自身既に吾人をして問題たらしめる値打ある況んや蘇峰先生反動思想些《いささ》か擡げんとしつつある今日に於て少からず社会注目惹くべきに於てをや
 千九百二十三七月独逸出てから和蘭白耳義経て再びパリはひつた其処美術館見た目ぼしいもの見なほしたり見のこして置いたもの見たりするのが主たる目的だつたその二十七午後ルーヴル玄関はひつて直ちに折れ、Galerie Mollien突当つて同じ負ふ階段二階上り左折して仏蘭西初期画廊入る間もなく三階上る階段踏んでCollection Camondo到達したそれ千九百十一死んだキャモンド蒐集印象派絵画を以て有名なものであるさうしてこの蒐集には東洋芸術遺品相応にまじつてゐるのである
阿部次郎(1883-1959)「帰来冒頭
 北浜事務所から突然拘引された
 
刑事部屋這入るそこには頭髪切った無表情な少女かたわら悄然と老衰した彼女坐っていたその周囲刑事たち取まいて中年過ぎた警部によって私たち取調べられた
 
戯れ絵ように儀礼的な刑事部屋あぐらかいた白毛まじった老警部言った
「――チタ子
から誘拐罪として告訴状提出しているのだがチタ子とはどんな関係なんだ。」
吉行エイスケ(1906-1940)「大阪万華鏡冒頭
 もはや一人不幸なインテリ物語瞬間時にしか我々興味惹かない世界散在して生きつづける強力な知識人興味津々たる物語それぞれ結末見通せない巨大なロマン一節として我々緊張させつつあるからである強固な知能的一人物或る呼吸停止したという事より多数彼等どのようにして生き生きつつあるその独創的な手段方法絶えず我々驚かし目ざまし活気づけてくれるいかなる突飛な自殺行為いかなる深刻ぶった自殺宣言よりもっと豊富にして怪奇な不慮我々押しつけている自殺に関する発明発見さして進展しない殺人に関する趣向日夜試験されつつあるしたがって各々選ぶ可能性与えられた人々意識するしないにかかわらず常に自己ためにとてつもない工夫こらさねばならない自殺するために国籍移すない生存するために国土から国土渡り歩く人々増加しつつあること想起しただけでも形式めざましい複雑化明らかである