美しい(うつくしい)

07/12/2015 15:44

→「うつくしい(美しい・愛しい)

用例

  二人二階並べていたその赤黒く光った様子ありありと二十今日《こんにち》までも、残っている部屋北向で、高さ足らぬ小窓を前に二人喰っつけるほど窮屈な姿勢下調《したしらべ》した部屋薄暗くなると、寒いのを思い切って窓障子明け放ったものであるその真下家《うち》の、竹格子若いぼんやり立っている事があった静かな夕暮などその姿際立って美しく見えた折々ああ美しい思ってしばらく見下《みおろ》していた事もあったけれども中村には何にも言わなかった。中村も何にも言わなかった
夏目漱石「変化」『永日小品』1909、冒頭)
  同じ虞初新誌今一つ岡田好きな文章あるそれ小青伝であったその書いてある新しい形容すれば天使待たせて置いて徐かに脂粉凝すとでも云うような美しさ性命しているあのどんなに岡田同情動かしたであろうと云うもの岡田ためには美しい愛すべきであってどんな境遇にも安んじてその美しさ愛らしさ護持していなくてはならぬように感ぜられたそれには平生香奩体読んだり、sentimental(サンチマンタル、fatalistique(ファタリスチック所謂才人文章読んだりして知らず識らずその影響受けていた為めあるだろう
森鷗外」1913)
鶴見俊輔戦後日本大衆文化:1845~1980年」1984)