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命がけ(いのちがけ)

12/10/2012 12:53

いのちがけ(命懸け・命がけ)

用例

数馬傍輩から、外記自分推してこのたび当らせたのだ聞くや否や即時に討死しよう決心したそれどうしても動かすこと出来ぬほど堅固な決心であった。外記ご恩報じさせると言ったということであるこのはからず聞いたのであるが実は聞くまでもない、外記薦めるにはそう言って薦めるにきまっているこう思う、数馬立ってもすわってもいられぬような気がする自分先代引立てこうむったには違いないしかし元服してからのち自分いわば大勢近習うち一人別に出色扱い受けていないには誰も浴しているご恩報じ自分に限ってしなくてはならぬというのはどういう意味言うまでもない自分殉死するはずであったのに殉死しなかったから命がけ場所やるというのである何時でも喜んで棄てるさきにしおくれた殉死代りに死のうとは思わない惜しまぬ自分なんで先代中陰果て惜しんだであろういわれないことである畢竟どれだけ入懇になった殉死するというはっきりしたない同じように勤めていた近習若侍うちに殉死沙汰ないので自分ながらえていた殉死してよいことなら自分よりもさきにするそれほどことにも見えているように思っていたそれにとうにするはず殉死せずにいた人間として極印打たれたのはかえすがえすも口惜しい自分すすぐこと出来ぬ汚れ受けたそれほど加えることあの外記でなくては出来まい。外記としてはさもあるべきことであるしかし殿様なぜそれお聴きいれになった。外記傷つけられたのは忍ぶこと出来よう殿様棄てられたのは忍ぶこと出来ない島原乗り入ろうとしたとき先代お呼び止めなされたそれ馬廻りものわざと先手加わるお止めなされたのであるこのたび当主怪我するなおっしゃるのはそれとは違う惜しいいたわれおっしゃるのであるそれなんのありがたかろう古い新たに鞭うたれるようなものであるただ一刻早く死にたい死んですすがれる汚れではない死にたい犬死でもよいから死にたい
森鷗外阿部一族」1913)
求婚命がけである。結婚話に乗じた詐欺罪起訴された女(34)が、 別の男性4人からも計1億円を得ていたと報じられている。複数で大金を振り込む図は、自然界の非情に重なる。女が張った網はインターネットだった。良縁を 求めるサイトで知った男性に「支援」を訴え、ブログでおしゃれな生活を公開する。そこには、手料理食べ歩き高級外車と、男性をおびき寄せる蜜をまぶし ていた。女はこうして、20人ほどに接触したとされる。ネットを介した出会いで泣くのは女性、毒手は男に生えているという「常識」を揺るがす展開である。 4人はこの女と接した後、なぜか相次いで亡くなった。不自然な最期と女のつながりに世間の目が注がれている。
(「天声人語」『朝日新聞』2009.11.3.)