戴いて(いただいて)

29/10/2014 17:06

→「いただいて(頂いて・戴いて)

用例

長十郎が忠利の戴いて願っように平生恩顧受けて家臣うちで、これ前後して思い思い殉死願いして許されものが、長十郎を加えて十八あったいずれも忠利の深く信頼していたどもであるだから忠利のでは、この人々子息光尚《みつひさ》の保護ため残しておきたいこと山々であったまたこの人々自分一しょ死なせる残刻だと十分感じていたしかし彼ら一人一人に「許すという一言を、割くように思いながら与えたは、勢いやむことを得なかっのである
森鷗外阿部一族」1913)
五助は人間言うように言った
おぬし畜生じゃから知らずにおるかも知れぬが、おぬしさすって下されことのある殿様は、もう亡くなり遊ばさそれでなってなされお歴々きょう切ってなさるおれ下司《げす》あるが、扶持《ごふち》を戴いてつないだお歴々変ったことはない殿様かわいがって戴いたありがたさ同じことじゃそれでおれ切って死ぬるのじゃおれ死んでしもうたおぬし今から野ら犬なるのじゃおれそれかわいそうならん殿様をしたは岫雲院で井戸飛び込んで死んだどうじゃおぬしおれ一しょ死のうとは思わんかいもし野ら犬なって生きてたい思うたこの握り飯食ってくれい死にたい思うなら食う
 こう言って見ていたが、は五助のばかり見ていて握り飯食おない
森鷗外阿部一族」1913)