かくべつ(格別・各別)

18/10/2011 07:58

[古くは「かくべち」とも。]
1.
形動][ナリ
アクセント:かくべつノ
1-1.
普通の場合とは程度・事柄が違っていること。格段の違いがあるさま。特にすぐれていること。また、そのさま。特別。
留学には格別な/の努力が必要だ 格別に目をかける/ひいきする 初夏の公園のカフェでのビールは格別だ 冬の夜の鍋の味は格別だ 格別のこともなく会談は終了した
1-2.
[多く「各別」と書く。]
一つ一つに違いがあること。それぞれが別であること。また、それぞれ別に行うこと。
2.
アクセント:かくべつ
2-1.
程度のはなはだしいさま。また、特に他と区別されるさま。とりわけ。特別。とりたてて。
今日は格別寒い 格別優れている/おいしいとも思えないが 格別言うことはない
2-2.
[多く仮定の条件などに続けて]
普通とは違う、別の扱いがなされるさま。例外とするさま。別として。ともかくとして。
子どもなら格別、社会人の行為としては許せない 雨や雪の日は格別、毎日自転車で通勤している

[用法]
「格別」「格段」
・「この候補者の研究計画書は格別/格段に優れている」「この店のシチューは格別/格段にうまい」のように相通じて用いられるが、「格別」は他と比べて特に優っている場合に用い、「格段」は他との違いがかなり大きい場合に用いる、というような意識の違いがある。従って、「格別に変わったこともなかった」のような場合は「格段」を用いないし、「実力に格段の違いがある」では、ふつう「格別」と置き換えられない。
・類義語に「特別」がある。「今日は特別寒い」「今日は特別変わったこともなかった」など「格別」と同じように用いられるが、「特別に誂える」のような場合は、「格別」「格段」を用いない。
(参考:「大辞泉」など。)

用例

1-1.
長十郎は平生忠利の廻り勤めて格別懇意こうむっもので、病床離れずに介抱をしていた。
森鷗外阿部一族」1913)
1-2.
父子・叔父甥・親類・郎従にいたるまでみなもつて各別
(「保元物語鎌倉時代
野郎ぐるひの太鼓五人、女郎ぐるひの末社五人、各別にきはめ
浮世草子「好色敗毒散」)
2-1.
四位侍従肥後光尚の家督相続済んだ家臣にはそれぞれ新知加増役替えなどあった中にも殉死十八は、嫡子そのままあと継がせられた嫡子ある限りは、いかに幼少でもそのには漏れない未亡人《びぼうじん》、父母には扶持与えられる家屋敷拝領して作事までも《かみ》からしむけられる先代格別入懇せられた家柄で、死天の旅さえ立ったのだから、家中もの羨みしても妬みしない
森鷗外阿部一族」1913)