飛び込んで(とびこんで)

26/08/2012 00:16

とびこんで(飛(び)込んで)

用例

敵陣飛び込んで討死をするのは立派ではあるが、軍令そむいて抜駈けをして死んではにはならない。それ犬死である同じことで、許しない殉死てはこれ犬死である
森鷗外阿部一族」1913)
五助は人間言うように言った
おぬし畜生じゃから知らずにおるかも知れぬが、おぬしさすって下されことのある殿様は、もう亡くなり遊ばさそれでなってなされお歴々きょう切ってなさるおれ下司《げす》あるが、扶持《ごふち》を戴いてつないだお歴々変ったことはない殿様かわいがって戴いたありがたさ同じことじゃそれでおれ切って死ぬるのじゃおれ死んでしもうたおぬし今から野ら犬なるのじゃおれそれかわいそうならん殿様をしたは岫雲院で井戸飛び込んで死んだどうじゃおぬしおれ一しょ死のうとは思わんかいもし野ら犬なって生きてたい思うたこの握り飯食ってくれい死にたい思うなら食う
 こう言って見ていたが、は五助のばかり見ていて握り飯食おない
森鷗外阿部一族」1913)
討手として阿部屋敷表門向うことになった竹内数馬武道誉れある生まれたものである先祖細川高国属して強弓得た島村弾正貴則である享禄四年高国摂津国尼崎敗れたとき、弾正二人両腋挟んで飛び込んで死んだ。弾正市兵衛河内八隅家仕えて一時八隅称した、竹内領することになって竹内改めた。竹内市兵衛吉兵衛小西行長仕えて紀伊国太田水攻めしたとき豊臣太閤白練日の丸陣羽織もらった朝鮮征伐ときには小西家人質として王宮三年押し籠められていた小西家滅びてから加藤清正召し出されていた主君物争いして白昼熊本城下立ち退いた加藤家討手備えるために鉄砲こめ火縄つけて持たせて退いたそれ三斎豊前召し抱えたこの吉兵衛五人男子あった長男やはり吉兵衛名のったのち剃髪して八隅見山といった二男七郎右衛門、三男次郎太夫、四男八兵衛、五男すなわち数馬である
森鷗外阿部一族」1913)