受けて(うけて)

23/10/2013 15:40

→「うけて(受けて・請けて・承けて・享けて)

用例

このには嫡子光貞のように江戸たり、また京都そのほか遠国《えんごくおんごく》にいるだちあるが、それのち知らせ受けて歎い違って、熊本限りだち歎きは、わけて痛切ものであった。
森鷗外阿部一族」1913)
長十郎が忠利の戴いて願っように平生恩顧受けて家臣うちで、これ前後して思い思い殉死願いして許されものが、長十郎を加えて十八あったいずれも忠利の深く信頼していたどもであるだから忠利のでは、この人々子息光尚《みつひさ》の保護ため残しておきたいこと山々であったまたこの人々自分一しょ死なせる残刻だと十分感じていたしかし彼ら一人一人に「許すという一言を、割くように思いながら与えたは、勢いやむことを得なかっのである
森鷗外阿部一族」1913)
数馬傍輩から、外記自分推してこのたび当らせたのだ聞くや否や即時に討死しよう決心したそれどうしても動かすこと出来ぬほど堅固な決心であった。外記ご恩報じさせると言ったということであるこのはからず聞いたのであるが実は聞くまでもない、外記薦めるにはそう言って薦めるにきまっているこう思う、数馬立ってもすわってもいられぬような気がする自分先代引立てこうむったには違いないしかし元服してからのち自分いわば大勢近習うち一人別に出色扱い受けていないには誰も浴しているご恩報じ自分に限ってしなくてはならぬというのはどういう意味言うまでもない自分殉死するはずであったのに殉死しなかったから命がけ場所やるというのである何時でも喜んで棄てるさきにしおくれた殉死代りに死のうとは思わない惜しまぬ自分なんで先代中陰果て惜しんだであろういわれないことである畢竟どれだけ入懇になった殉死するというはっきりしたない同じように勤めていた近習若侍うちに殉死沙汰ないので自分ながらえていた殉死してよいことなら自分よりもさきにするそれほどことにも見えているように思っていたそれにとうにするはず殉死せずにいた人間として極印打たれたのはかえすがえすも口惜しい自分すすぐこと出来ぬ汚れ受けたそれほど加えることあの外記でなくては出来まい。外記としてはさもあるべきことであるしかし殿様なぜそれお聴きいれになった。外記傷つけられたのは忍ぶこと出来よう殿様棄てられたのは忍ぶこと出来ない島原乗り入ろうとしたとき先代お呼び止めなされたそれ馬廻りものわざと先手加わるお止めなされたのであるこのたび当主怪我するなおっしゃるのはそれとは違う惜しいいたわれおっしゃるのであるそれなんのありがたかろう古い新たに鞭うたれるようなものであるただ一刻早く死にたい死んですすがれる汚れではない死にたい犬死でもよいから死にたい
森鷗外阿部一族」1913)
同じ虞初新誌今一つ岡田好きな文章あるそれ小青伝であったその書いてある新しい形容すれば天使待たせて置いて徐かに脂粉凝すとでも云うような美しさ性命しているあのどんなに岡田同情動かしたであろうと云うもの岡田ためには美しい愛すべきであってどんな境遇にも安んじてその美しさ愛らしさ護持していなくてはならぬように感ぜられたそれには平生香奩体読んだり、sentimental(サンチマンタル、fatalistique(ファタリスチック所謂才人文章読んだりして知らず識らずその影響受けていた為めあるだろう
森鷗外」1913)