あと(後・跡)

14/10/2017 19:27

[「あと(跡・迹・址・痕)」と同源。「あと(跡・迹・址・痕)」の意味の拡大したもの。]
アクセントと]
1.

1-1.
背中の方。うしろ。後方。зад гърба; отзад
子犬があとからついてくるмалкото кученце ме следва отзад あとに続く者がいないняма човек, който да ме наследи 故郷をあとにするоставям родния дом зад гърба си
1-2.

或る時点からのち。след дадена точка във времето
1-2-1.

以後。
のち(後)。след; после ⇔さき(先・前)
宿題はあとでやるよ。Домашното после ще го напиша. お金はあとで結構です。Парите може и после (да ми дадеш). あとで悔やむなよ。Само после не ми съжалявай! (?) 泣いたあとにすぐ笑う 転んでからあとのことは覚えていない。Не си спомням нищо след падането ми. 3年あとには完成する予定だ。Прогнозирам завършване (на нещо) след 3 години. 問題の解決をあとへ回すとろくなことはない。Няма смисъл разрешаването на проблема да се отлага/ да се оставя за после.
1-2-2.

終了後。след (приключването на нещо)
授業のあと、ご飯食べに行こう。Да отидем да хапнем след часовете. 番組のあとで視聴者プレゼントがあります。След края на програмата за зрителите има подаръци.
1-2-3.

[「後を弔う」では「跡」とも書く。]
死後。след смъртта
あとを弔うизвършвам заупокойна служба (?) あとに残された子どもたちсирачета
1-3.

連続するものの中で、次に来るもの。следващото по ред/ идното от продължаващи едно след друго неща
1-3-1.

或る基準で並べた順番の、終わりの方。крайната част на ред, подреден по даден критерий; край ⇔
さき(先・前)
名簿/リストのあとの方に名前があった。Името ми беше в/към края на списъка.
1-3-2.

次の代わりのもの。това/ този, който идва следващ на мястото на предишното/ предишния
あとは何にしますか。Какво да бъде следващото; какво ще желаете като следващо. お客さんがあとからあとからやってくる。Клиентите идват един след друг.
1-3-3.

後継者。後任(の者)。次に来る者。наследник; приемник
定年する部長のあとを決めなければならない。Трябва да решим кой ще наследи пенсиониращия се шеф на отдела.
1-3-4.

子孫。後胤。потомство; наследници
あとが絶えるнаследствената линия се прекъсва (?)
1-3-5.

のちの事態。のちのちのこと。положениета на нещата след дадено нещо; бъдещето; това, което следва
あとのことも考えずにやって、結局失敗した。Направих го без да мисля за последствията и в крайна сметка се провалих.
1-3-6.

後妻。втора съпруга
あとをもらう気はない。Не ми се ще втора съпруга.
1-4.

物事が終わってから残ったもの。нещо, останало след приключването на нещата
1-4-1.

残った部分。残された余地。остатък; излишък; оставено пространство (?)
あとの始末をつける あとは次の機会に譲ろう 追いつめられて、もうあとがない
1-4-2.

或る事の結果、残ったもの。резултатът/ това, което е останало от нещо; останалото
あとは、君にまかせるよ。Останалото оставям на теб.
1-4-3.

あとあとまで心に残る感情。なごり。特に、思い出。遺徳。останала следа в сърцето на човек; останала емоция, чувство, спомен
母/祖父のあとを偲ぶприпомням си починалата ми майка/починалия ми дядо あの別れはあとを長く引いた。Онази раздяла беляза сърцето ми за дълго.
1-5.

接続詞に用いて。]
それから。след това; друго освен това
あと、質問は?Други въпроси? あと、気付いたことはありませんか。Нищо друго ли не забелязахте?
1-6.

或る時点より前。以前。преди (дадена точка във времето) ⇔
さき(先・前)
2.


名詞副詞用法とする説もある。]
数詞付いて][заедно с числителни имена]
まだ余地のある状態、今よりそれだけ超過するさまを表す。さらに。още (освен наличното)
あと10分ほどで終わるслед около още 10 минути свършвам あと二人座れるмогат да седнат още двама あと
一年任期が残っている。Остава ми още една година служба/работа.

あと(跡・迹・址・痕)あとあと(後後・後々)・後が無い・後から後から・後にも先にも・後の雁《かり/がん》が先になる・後の祭り・後は野となれ山となれ・後へ引かない・後へも先へも行かぬ・後を弔う・後を引く・のち(後)

用例

1-1.
 
切れたから、立ち留まって仰向くと、火の粉もう通る置く澄み切って深いに、数を尽くして飛んで来ては卒然消えてしまうかと思うとすぐあとから鮮なやつが、一面吹かれながら追(おっ)かけながらちらちらしながら熾《さかん》あらわれるそうして不意消えて行くその飛んでくる方角見ると、大きな噴水集めたように一本なって隙間なく寒い染めている二三大きなある長い石段途中太い静かな夜《よ》張って土手から高く聳えているその後《うしろ》から起る黒い動かぬことさらに残して余る真赤である火元この高い土手に違《ちがい》ないもう一町ほど行って上《あが》れば現場出られる
夏目漱石「火事」『永日小品』1909、冒頭
 数馬
忠利児小姓勤めて島原征伐とき殿様そばいた寛永十五二月二十五細川もの乗り取ろうとしたとき、数馬どうぞ先手おつかわし下されい忠利願った。忠利聴かなかった押し返してねだるように願う、忠利立腹して、「小倅勝手にうせおれ叫んだ。数馬そのとき十六である。「あっ言いさま駈け出す見送って、忠利怪我するなかけた乙名徳右衛門、草履取一人槍持一人あとから続いた主従四人であるから打ち出す鉄砲烈しいので数馬着ていた猩々緋陣羽織つかんであと引いた。数馬振り切って石垣攀じ登る是非なくついて登るとうとう城内はいって働いて、数馬負った同じ場所から攻め入った柳川立花飛騨宗茂七十二古武者このとき働きぶり見ていた渡辺新弥、仲光内膳数馬との三人天晴れであった言って三人連名感状やった落城のち、忠利数馬兼光脇差やって五十加増した脇差直焼無銘横鑢九曜三並び目貫赤銅縁金拵えである目貫二つあって一つ填めてあった。忠利この脇差秘蔵していたので、数馬やってからも登城ときなどには、「数馬あの脇差貸せと言って借りて差したこともたびたびある
森鷗外阿部一族」1913)
1-2-1.
「あと(後・跡)」1-2-1.用例
1-2-2.
 
その頃神田明神降りた曲角鉤なり縁台出して古本曝しているあったそこで或る唐本金瓶梅見附けて亭主問うと云った負けてくれと云うと、「先刻岡田さんなら買う仰ゃいましたことわり申したのですと云う偶然工面好かったので言値買った二三立ってから岡田逢う向うからこう云い出した
ひどい切角見附けて置いた金瓶梅買ってしまったじゃないか
そうそう附けて折り合わなかった本屋云っていた欲しいなら譲って上げよう
なにから読んだ貸して貰えば好い
喜んで承諾したこんな今まで長い壁隣住まいながら交際せずにいた岡田とは往ったり来たりするようになったのである
森鷗外」1913)
[発表年未詳]
 
人間たよるやうになつてもうよほど久しいことであるのにまだ根気よくそれやつてゐるたより縋り崇め拝むこの心から城壁祭壇神像殿堂作られたいつまでもこの世留めたいと思ふ作るために東洋でも西洋でもあるひは何処《はて》でもから人間努めてゐる姿目ざましい死ぬそのまま地びた棄てておいても膿血腐肉流れつくしただけ似て永く遺るべき素質であるのに遺族友人称へるもの集つて点けて焼くせつかくまで粉々に砕けてしまふそれ拾ひ集めて底深く地中埋めてその上いかつい四角な立てる御参りするといへばまるでそれ故人であるやうにその拝むそしてその大きいほど貞女孝子褒められる貧乏ものこんなでも孝行むづかしい
会津八一/會津八一(1881-1956)「一片冒頭
1-3-1.
夏目漱石「正月」『永日小品』1909、冒頭
 
懷疑意味正確に判斷すること容易でないやうに見える或る場合には懷疑神祕化されそれから一つ宗教生ずるまでに至つてゐるあらゆる神祕拂ひのけること懷疑仕事であるであらう反對場合には如何なる懷疑懷疑であるといふ理由容赦なく不道徳として貶せられてゐる懷疑知性一つであり得るであらう場合懷疑そのもの一つ獨斷となる場合懷疑から敲きつけようとするやはり獨斷である
三木清懷疑について」『人生論ノート』1941、冒頭
1-3-3.

 
たしか長春ホテルであつたと思ふそのから聞いたしかしそれそのとしてではなしにその長春事務所長してゐる出た時に、B画家らしいのんきな調子莞爾《にこにこ》と笑ひながら言つたのであつた。「、Sさんあゝいふ堅いしてゐるけれどもあれ中々隅に置けないんです
さう?」かう言つたには五十近いそれでゐて非常に若くつくつてゐる頭髪綺麗にわけた浮んだ
つい此間まで大連本社庶務課長してゐたんだが?」
庶務課長! Sさん――? それぢや、Yやつてゐる?」
さうだあそこ行つて見ました。Sあそこつい半年ほどまでゐたんですそのあと行つたんです
庶務課長から此処事務所長では左遷です?」
まアさういふわけです。S好いですけれどもそれ親切で趣味深くつてことわかるなどには非常にいゝなんですけれど――」B少し途切れて、「それ庶務課行くあの《へや》タイピストあるでせう?」
……」
あのゐるぢやないですけれども。Sさんそのタイピスト可愛がつてたうとう孕ませて了つたもんですから?」
ふむ?」いくらか眼を睜《みは》るやうにして、「あゝいふところにもさういふことあるのか? ふむ? 面白い? つまりさうするとゐるゐたやつたわけです?」
さうです
さうかな……。さういふこと沢山あるんです?」
 
かう言つたにはその大きな石造《せきぞう》建物一室――卓《テイブル》三脚並べた電話絶えず聞えて来るクツシヨン椅子置いてあるその向う後姿見せてタイピストカチカチやつてゐる一室さまはつきりと浮んだ
それで何うした? では囲つてでもあるのか
いや本社から此方《こつち》来るすつかり解決つけて来たらしい何でももう子供産んだとか言つた――」
よく早く解決出来た?」
だつて困るからなア――」B笑つて
そこに行くとあゝいふあるから何うにでもなる……」
さうかな――」
 
じつと考へ沈んだ思ひがけない人生事実といふことではなかつたけれども一種不思議な心持感じた。「ふむ!」と言つてまた振つた
それでその別品《べつぴん》?」
ちよつと白いだけですかう言つて笑つた
田山花袋(田山録弥)「アカシヤ1924冒頭
1-4-1.
夏目漱石「正月」『永日小品』1909、冒頭
伊丹万作映画界手近問題」1936、冒頭
鶴見俊輔戦後日本大衆文化:1845~1980年」1984)
1-4-2.
森鷗外阿部一族」1913)
1-6.
「まあ色のわりいことは。真青だよ。いつ時分からわるいのだえ」「なに十五、六日あとからよ」
人情本為永春水春色梅児誉美」1832-33)
四五日あと、おれが処へ来て何といった
仮名垣魯文西洋道中膝栗毛」1870-76)
2.
日本語能力試験まであとヵ月До изпита по японски език остават само два месеца!
АГОРА СОФИЯ