ない(無い・亡い) 形容詞

25/04/2012 05:38

][なし
アクセントい]
1.
存在しない。完全な非存在場合も、ある場面に不在場合もある。липсвам; няма ме
ここにあったノートがない。Тетрадката, която беше тук, я няма. ほめられて怒る者はない。Няма човек, който да се разсърди заради това, че са го похвалили. あなたのやり方には愛がない。Няма любов в твоя начин на вършене. 神も仏もないものか
2.
起こらない。起きない。行われない。няма; не се се състоя
今日は講義/公演/電車/バス/市電がない。Днес няма лекция/представление/влак/автобус/трамвай.
3.
所有していない。нямам; не притежавам
3-1.
が財産などを所有していない。
いまお金がない。Нямам пари. 彼には住む所もないし家族もない。Той няма нито дом, нито семейство.
3-2.
がしかるべき属性を欠いている。нямам/не притежавам/липсва ми (дадено качество и пр.)
あの人には信用/風格/貫禄/花がない 意味のない話разговор, който няма смисъл 魅力のない小説роман, на който му липсва чар
3-3.
がある能力・経験感覚などを備えていない。また、気持ちを持たない。がはっきりしていない。нямам/липсават ми (способности, опит, усет и пр.)
学力/力/実力/やる気/知恵/度胸/いいアイデア/品/魅力/意識/経験/感覚がない
4.
[多く助詞」「」などと共に用いて]
数量・
時間などが、その表示された数量や時間に達していない。
試験まであと1週間も/とない。До изпита не остава и седмица. 駅まで1キロも/とない。До гарата няма и 1 километър.
開演まであと10分もない
5.
[亡い]
人間が]既に死んで、この世にいない。生存していない。死んでいる。(за човек) починал е и вече го нямя на този свят
今は亡き祖母сега е вече покойната ми баба 亡き者にする 亡くなるумирам/почивам これからは私はないものと考えてください。Оттук нататък считай, че не съществувам.
6.
同じが二つと存在しない。他に類がない。またとない。
またとない機会/チャンス/珍品 その時の惨めさといったらなかった
7.
留守/不在である。
8.
[「…こと」を受けて。]
8-1.
否定を表す
興味がないこともないが、わざわざ高い金を出してまで行く気はしない
8-2.
未経験である。
食べた/見た/行ったことがない(никога) не съм ял/виждал/ходил こんなに寂しい思いをしたことはこれまでにない。Никога до сега не съм се чувствал толкова самотен.
8-3.
不必要であることを表す
何もそこまでしてやることはないだろう
8-4.
可能性がないことを表す
こんな風邪で、まさか死ぬこともないだろう
9.
補助形容詞
9-1.
形容詞形容動詞連用形、及び一部の助動詞」「たい」「らしい」などの連用形付いて。]
その状態打ち消し表す
この小説はあまり面白くない 今日はそれほど暑くない この辺りはあまり静かではないから公園にでも行こう そういう言い方は好きじゃない 残念ながら実現しそうにない 私の言っているのはそういうことではない そんな話は聞きたくもない 顔も見たくない奴 絶望だなんて君らしくもないね 
9-2.
動詞連用形助詞」の付いたものに付いて。]
「…ている」「…てある」という状態打ち消し表す
まだ朝ごはんを食べてない きょうは市電が動いてない 私はまだ死んでない 店があいてなかった
9-3.
[「…ないではない」「…ないこともない」などので。]
すっかり否定しきらないで、いくらかは認める。
言い分はわからないでもない 条件によっては承知できないこともない
9-4.
[「…ではないか」などので。]
確認したり念を押したり詰問したりする。
やればできるじゃないか あれほど説明したではないか ここにあるじゃないか、どこ見てたんだ?
9-5.
[「…ようではないか」などので。]
勧誘したり催促したりする意を表す。
みんなで力をあわせて、ともに頑張ろうではないか やってみせようじゃないか
9-6.
[「…のではない」などので。]
否定・禁止の意を表す。
人を馬鹿にするんじゃない、それぐらい誰だって分かる 頭で覚えるんじゃない、からだで覚えるんだ
9-7.
[「…ともなく」などので。]
はっきりしないままそれが行われるさま。
聞くともなく聞いていたんだけど 降るともなく降り続く雨
9-8.
[「お…でない」などので。]
禁止の意を表す。
調子に乗っておふざけでないよ
10.
名詞付いて、否定の意を含む形容詞を作る。
違いない 頼りない 情けない 心ない 面目ない

→味も素っ気もない・蟻の這い出る隙もない・合わせる顔がない・生きた空がない・痛くも痒くもない・一言《いちごん》もない・一も二も無く・瓜に爪あり爪に爪なし・応接に暇《いとま》がない・影も形もない・稼ぐに追いつく貧乏なし・神も仏もない・可もなく不可もなし・顔色なし・眼中人無し・看板に偽りなし・鬼神に横道《おうどう》なし・薬にしたくもない・国に二君なし・芸がない・恋に上下の差別なし・恒産なきものは恒心なし・声なき声・触らぬ神に祟りなし・三界に家無し・山中暦日なし・死人に口なし・是非もない・備えあれば患《うれ》いなし・大事の中に小事なし・只より高いものはない・玉磨かざれば光なし・血も涙もない・罪がない・手もなく・取り付く島がない・天に二日《にじつ》無し・名ありて実なし・無い袖は振れない・無い物は無い・無きにしも非ず・無くて七癖有って四十八癖・鰾膠《にべ》もない・根も葉もない・恥も外聞もない・非の打ち所がない・武士に二言なし・方図《ほうず》がない・枚挙に遑《いとま》がない・満更でもない・身の置き所がない・身も蓋もない・身も世もない・見る影もない・目がない・目に一丁字なし・名所に見所なし・名物に旨《うま》い物なし・本木《もとき》にまさる末木《うらき》なし・元も子もない・野《や》に遺賢無し・勇将の下に弱卒無し・行くとして可ならざるはなし・油断も隙もない・欲も得もない・埒《らち》もない・立錐の余地もない・渡る世間に鬼はない

用例

1.
「ない(無い・亡い)」1.用例
2.
この川の絶ゆることなく
(「万葉集奈良時代
6.
なきすきものにて、朝夕琴を指しおくことなかりけり
(「十訓抄鎌倉中期
7.
老いらくの来むと知りせば門さしてなしと答へて逢はざらましを
(「古今和歌集」913)
9-1.
ここに使はるる人にもなき
(「竹取物語平安初期
このあいびき先年仏蘭西《フランス》死去した露国では有名な小説家ツルゲーネフという端物《はもの》です今度徳富先生依頼訳してみました訳文我ながら不思議とソノ何んだこれでも原文きわめておもしろいです
九月中旬というころ一日自分さる座していたことあッた今朝から小雨降りそそぎその晴れ間にはおりおり生ま煖《あたた》かな日かげ射してまことに気まぐれな空ら合いあわあわしい白ら雲空ら一面棚引くかと思うとフトまたあちこち瞬く間雲切れしてむりに押し分けたような雲間から澄みて怜悧《さか》し気《げ》に見えるごとくに朗《ほがら》かに晴れた蒼空のぞかれた自分座して四顧してそして傾けていた木の葉頭上幽《かす》かに戦《そよ》いだその聞たばかりでも季節知られたそれ春先するおもしろそうな笑うようなさざめきでもなくゆるやかなそよぎでもなく永たらしい話し声でもなくまたおどおどしたうそさぶそうなお饒舌《しゃべ》りでもなかッたただようやく聞取れる聞取れぬほどしめやかな私語であったそよ吹く忍ぶように木末伝ッた照る曇るじめつくようす間断なく移り変ッたあるいはそこありとあるすべて一時に微笑したように隈なくあかみわたッてさのみ繁くないほそぼそとした思いがけず白絹めくやさしい光沢《つや》帯び地上散り布《し》いた細かな落ち葉にわかに映じてまばゆきまでに金色《こんじき》放ち頭《かしら》かきむしッたような「パアポロトニク」(類いみごとなしかも熟《つ》えすぎた葡萄めく帯びた際限なくもつれからみして目前透かして見られた
ツルゲーネフ作・二葉亭四迷訳「あひびき」1888、冒頭)