ほど(程) 名詞

30/03/2017 22:56

アクセント:ほどヲ
1.
物事・動作・状態の度合い、程度や段階。

年の程は二十《はたち》前後 実力の程はわからない 身の程をわきまえる

2.

許される範囲内の程度。ちょうどよい程度。
ふざける/人を馬鹿にするにも程がある 何事も程を過ごさないようにしろ 程のよいところで散会にする
3.

或る広がりをもった時間。
3-1.

或る程度の時間。間《ま》。あいだ。
程もなく帰ってきた 程を経て返事が届いた
3-2.

おおよその時間・時刻。ころ。おり。時分。
夕暮れの程に家を出る 手のあいた程をみて連絡します この程は大変お世話になりました
4.

[「…のほど」の形で。]
断定を避け、表現をやわらげるのに用いる。

御自愛の程を祈ります 真偽の程を確かめる 詳細の程は、お問い合わせください 御親切の程は忘れません 
5.

或る広がりを持った空間。
5-1.

おおよその距離・道のり。

5-2.

おおよその広さ・面積。

5-3.

おおよその場所。あたり。


ほど(副助)・程が有る・程こそあれ/ありけれ・程のことはない

用例

1.
森鷗外阿部一族」1913)
 には誰がにも好きな人、いやというものあるそしてなぜ好きいや穿鑿してみるとどうかすると捕捉するほど拠りどころない。忠利が弥一右衛門を好かぬのも、そんなわけであるしかし弥一右衛門というどこか親しみがたいところ持っているに違いないそれ親しい友達少いのでわかる誰でも立派として尊敬はする。しかしたやすく近づこう試みるものないまれに物ずきに近づこう試みるものあってしばらくするうちに根気続かなくなって遠ざかってしまうまだ猪之助といって前髪あったときたびたびしかけた何か手を借してやったりしていた年上が、「どうも阿部にはつけ入るないと言って我を折ったそこら考えてみると、忠利が自分改めたく思いながら改めること出来なかったのも怪しむ足りない
森鷗外阿部一族」1913)
5-1.
明石《あかし》の浦は、ただはひ渡る
ほどなれば
紫式部源氏物語平安中期
忘るなよ雲井になりぬとも空ゆく月のめぐりあふまで
(「拾遺和歌集」11世紀初頭)
5-2.
ほど
なくものはかなき住まひを
紫式部源氏物語平安中期
ほどなども狭《せば》き所にていと騒がしげなりとぞ
(「栄花物語/栄華物語」11世紀
5-3.
京の
ほどは隠れて、堤の辺よりぞ打ち出で参りける
(「大鏡平安後期
中御門京極《なかのみかどきゃうごく》のほどより、大きなる辻風《つじかぜ》起こりて
鴨長明方丈記」1212)
音に聞きし猫また…首のほどを食はんとす
吉田兼好徒然草」14世紀前半