ままで(儘で・随で) 連語

26/09/2015 06:51

連語
名詞まま(儘・随・任・ママ)」+格助詞」。多くは上に連体修飾語または、連体修飾句を伴って接続助詞のように用いられ、上の句によって示される状態が保たれている状況で、次の行動が為されることを表す。]
…(の)状況で。
彼はびしょ濡れのままで、立ちすくんでいた 通路に立ったままで、何時間も汽車にゆられて行った ピアノの前に腰を下ろしたままで、ぼんやり考え事をしていた

まま(儘)[接続助詞]

用例

[発表年順]
それいかんぞよこう言って忠利は今まで長十郎と見合わせてのに半分寝返りするように向いた。
どうぞそうおっしゃらずに」長十郎はまた忠利の戴いた。
いかんいかんそむけたままで言った。
森鷗外阿部一族」1913)
 工芸品についていうどこでもその発達道順だいたい決まっています材料次第によくしていくとか技術発達させていくとかいう行き方ですところが日本では多く場合材料ちっともよくならないならならならままで発達させていくより高級な材料たとえば金銀とか宝石など応用することなどあまり考えない技術にしても必ずしも高度技術変えていくという行き方ではない同じ技術名人芸的に洗練してゆくやり方ですそれでいて芸術品作るこれ一種自然主義です
江上波夫石田英一郎・上山春平・江上波夫・増田義郎「座談会日本人好奇心エネルギー源泉」『日本文化構造』1972)
 個人としての豊雄、個人としての真女子論じても何も得ることはできないだろう。豊雄ありかた、真女子エネルギー彼ら近世生きる人々内部名付けられないまま発生したのでありそれ宗教によっては説明つかない国学者秋成考えた宗教対極いたその脈絡なかでは人間気付いてはいても言葉還元できない次元シンボリックに表現し得た人間無意識におのれすべて知っているのかも知れないすべて表現できるわけでもなくすべて理解できるわけでもない日常言葉には還元できず説明言葉にも乗ること得ずしかも不可解不可解ままでおくことはできない人間性癖あるとすればシンボリックな言葉をもって世界人間をも含む物語るという行動人間普遍的な問題として考える必要ある
(田中優子「説話変容――中国日本小説」『江戸想像力1986
 思い出すしばらく訪れた高齢者グループホームこと
 住むいなくなった木造民家ほとんど改修せずに使うデイ・サーヴィス施設だったもちろんバリアフリーからはほど遠い玄関には石段あり玄関引く玄関間ある脱いでよいしょ上がるこんどそれ開けてみな集《つど》っている居間入る軽い認知症患っているその女性お菓子おしゃべり興じている老人たちにはすぐに入れず呆然と立ちつくすなんとなくいたたまれず折ってしゃがみかけるとっさどうぞいざりながら自分使っていた座布団差しだす伸びる。「おかまいなく座布団押し戻し、「言うておす遠慮せんといっしょお座りやすふたたび座布団押し戻される…。
(鷲田清一「身ぶり消失」2005)
[発表年未詳・筆者生年順]
 昨日所謂彼岸中日でした吾々やうに田舎住むもの生活これから始まるといふです東京市中離れた此の武蔵野最中住んで居るから今日片寄せてある取り出してこの楽しむ為に根分しようとして居るところです実は久しいこと作つて居るのであるが二三年間思ふあつてわざと手入れしないで投げやりに作つて見た一体と云ふもの栽培法調べて見る或は菊作り秘伝書とか植木屋口伝とかいふものいろ/\とあつてなか/\面倒なものですこれほど面倒なものとすれば到底素人には作れないと思ふほどやかましいものですそして色々な秘訣守らなければ存分に立派な作られないといふことなつて居るところが昨年一昨年あらゆる菊作り法則無視して作つて見たたとへば早く根分けすること植ゑるには濃厚な肥料包含せしめなければならぬことなるべく大きなもの用ゐること五月七月九月摘まなければならぬこと日当りよくすること毎日一回乃至数回与へなければならぬことなつて肥料追加雑草除くことなどまだ/\いろ/\心得あるにも拘らず二三まるでやらなかつた根分やらず小さい植ゑた儘で取り替へせず摘まず勿論途絶え勝であつた云はゞあらゆる虐待薄遇とを与へたのだそれでもなるらしくそれ/″\出て綺麗な相当に優しい見せてくれたそれで考へて見れば栽培といつても絶対的に必須なものでもないらしい手入れすれば勿論よろしいしかし手入れ無くとも咲く植木屋などよく文人作りなどつけて売つて居るのはなどから見ればいつも少し出来過ぎて居てかへつて面白くない咲いた天然美しさより多く惹かれぬでもない
会津八一/會津八一(1881-1956)「根分しながら冒頭