のに 接続助詞・終助詞

30/12/2015 12:10

接続助詞」の前に準体助詞」が挿入されてできたもの。近世以降用いられ、近代になって多用されはじめた。他の逆接の助詞けれども」「」などに比べると逆接のが強い。活用語連体形に付く。形容動詞活用の場合、終止形に接続することもある。]
1.
接助
1-1.
既定の逆接条件を表す意味内容の対立する二つのことがらを、意外・不服の気持ちをこめてつなぐ。「というのに」「いいのに」の形で慣用的に用いられることもある。
がんばったのに家族はほめてくれなかった。Толкова услия положих, а вкъщи никой не ме похвали ブルガリアでは普通のことなのに、日本ではだめだと言われた。Въпреки че в България е нещо нормално, в Япония ми казаха, че няма да стане. みんなは理解してくれたのに、彼女だけには伝わらなかった 昔は静かないい所だったのに、今は開発で無残に荒らされてしまっている 春だというのになかなか暖かくならない。Уж е пролет, а така и не става топло 正月だというのに食べるものも満足にない 分からなければ聞けばいいのに聞かないから、そんなことになるんだよ
1-2.
逆接的な意味がほとんどなく、ただ二つのことがらを連ねて言い表す。
2.
終助
1.における、前件に対する後件が省略されたもの。]
活用語連体形に付く。不平・不満・不服・恨み・非難などの気持ち表す
遅くなるのなら連絡してくれればいい/よかったのに。След като ще закъсняваш, можеше/трябваше да се обадиш 言ってくれれば手伝ってあげたのに。А ако беше казал щях да ти помогна... これで大丈夫だと思ったのになあ。А мислех, че и така ще стане...

にもかかわらず(にも拘らず)

用例

1-1.
それはまあ、よく忙しいのに、気をつけておくれだ
人情本曲山人仮名文章娘節用」1831-34)
「のに[接続助詞・終助詞]」1-1.用例(1913)
和辻哲郎初旅」1972)
向田邦子チャンバラ1982冒頭
[発表年未詳]
  人間たよるやうになつてもうよほど久しいことであるのにまだ根気よくそれやつてゐるたより縋り崇め拝むこの心から城壁祭壇神像殿堂作られたいつまでもこの世留めたいと思ふ作るために東洋でも西洋でもあるひは何処《はて》でもから人間努めてゐる姿目ざましい死ぬそのまま地びた棄てておいても膿血腐肉流れつくしただけ似て永く遺るべき素質であるのに遺族友人称へるもの集つて点けて焼くせつかくまで粉々に砕けてしまふそれ拾ひ集めて底深く地中埋めてその上いかつい四角な立てる御参りするといへばまるでそれ故人であるやうにその拝むそしてその大きいほど貞女孝子褒められる貧乏ものこんなでも孝行むづかしい
1-2.
併しお前は上品だのに肌目が細かいから、汗なんぞをおかきではないね
2.
あれほど待って居てくんなといふのに
滑稽本式亭三馬浮世風呂」1809-13)