格助詞・接続助詞・終助詞

26/10/2016 18:06

1.
格助
格助詞」に「」の付いた「にて」の体言に付く。中古末から中世以降の近世以前でも、意味・用法は、現代語とほとんど変わらない。]
1-1.

場所・場面を
表す
家で勉強するуча вкъщи コンビニで買い物をするпазарувам в супермаркета(?) 委員会で可決する 試験で合格点を取る 世界で初めての試みпръв опит в света 日本でもブルガリアでも、教育の重要性に変わりはない。И в Япония, и в България образованието е (еднакво) важно.
1-2.

[状況・状態・段階などの意味合いを込めて。]
時を
表す。「では」「でも」の形をとることが多い。
30歳で外国に移住するна 30 години се местя в чужбина それは現在では治る病気だ。Това е болест, която в днешно време се лекува.
1-3.

主体
となるもの・組織・団体を表す
委員会で作成した原案を教授会で検討する それは私ども(のほう)でやります それは現在政府(内)で検討中の問題だ そっちで惚れても、こっちでいやだ
1-4.
期限・限度・基準表す
これ、三日でできる?Можеш ли да го свършиш за 3 дни? 三つで100円трите са 100 йени 時速500キロで走行する技術を現在研究中だ
1-5.
事情・状況・状態を表す
みんなで掃除するчистим всички заедно 笑顔で挨拶するпоздравявам с усмивка 腹ペコで帰ってきた。Прибрах се прегладнял. 親切のつもりで忠告したのに
1-6.
手段・方法、または道具・材料を表す。を使って。изразява начин/средство/материал
黒のボールペンで書くпиша с черна писалка バス/飛行機で行くотивам с автобус/самолет これは全部砂糖でできている。Всичкото е направено от захар. メールで知らせるуведомявам по мейл それはテレビのニュースで見た。Видях го по новините по телевизията.
1-7.
原因・理由・動機を表す。
風邪で休むотсъствам поради настинка 一言で分かってくれるразбира ме само от една дума 勉強で忙しいзает съм с учене おかげで助かったよ。Благодарение на теб се спасих.
2.
接助
2-1.
1-7.から。近世語活用語終止形に付く。打消しの助動詞の古い連用形「に」に接続助詞「て」の付いた「にて」の音変化とも、打消しの助動詞」の連用形「ず」に接続助詞「て」の付いた「ずて」の音変化ともいう。中古以降用いられる。この用法は近世江戸語までで、現代語では、これに代わって、「ので」が用いられる。]
原因・理由を表す。
2-2.
助詞「て」が、ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞の連用形の音便形に付く場合の形。]
「て[接助]」に同じ。
泳いで川を渡る 飛んで火に入る夏の虫 死んで花実が咲くものか
2-3.
活用語未然形に付く。]
上の事柄を打ち消して下に続ける。ないで。ずに。→いで
3.

終助
助詞「て」が、ガ・ナ・バ・マ行の五段活用動詞連用形音便形に付く場合の形。]
終助詞
」に同じ。
もっとよく噛んで 布団はきちんと畳んで

用例

1-1.
やまきの館《たち》夜討ちに討ち候ひぬ
(「平家物語」13世紀前半
1-2.
十三元服仕り候ふまでは
(「平家物語」13世紀前半
1-4.
三百騎ばかり喚《をめ》いて駆く
(「平家物語」13世紀前半
1-5.
盗人なる心、否《え》、主、かく口きよくな言ひそ
(「今昔物語集平安後期
 光雄町子からわたしではないのよ打ち明けられた少しも驚きしなかったなかば泣き声真剣になって子供泣く直前示す表情すぐ訴えられても、光雄冷えていくことなかったむしろ温泉であるそのなってそんなに必死になって弁明する彼女気持解しかねたその気持さぐるより先にその真剣さその必死さ好感持ててなぜそんなこと言うのかないつも満足してるのにこちら感情こめおしかぶせるように言った
そんなこと言っちゃいけないそんな悲しそうな顔つきしちゃいけない泣いちゃいけないそんな必要ないんだもの
武田泰淳「『かたち1948冒頭
 はるかな迷路ひだ通り抜けてとうとうおまえやってきた。「から受け取った地図たよりやっとこの隠れ家たどりついたたぶんいくらか酔ったような足取りオルガンペダルようなたてながら階段上りきったとっつき部屋こらしてノックしてみたなぜか返事返ってこなかったかわりに一人少女仔猫ように駆けよってきておまえためドア開けるはず伝言でもあるかけてみる少女答えず薄笑い残して逃げ去った
安部公房他人の顔1964冒頭
1-6.
「で[格助詞・接続助詞・終助詞]」1-6.用例
1-7.
「で[格助詞・接続助詞・終助詞]」1-7.用例
2-1.
嬶達が先へ来て七十の賀を祝うてくれた、今日の祝ひはさらりと仕舞うた
浄瑠璃竹田出雲/並木宗助他「菅原伝授手習鑑」1746)
おれが居て、あちこちから算段してやる通られるが
滑稽本式亭三馬浮世床」1814)
馬鹿にされる面白いのだが、馬鹿にされると気がついちやあもうおしまひだ
滑稽本式亭三馬浮世床」1814)
2-3.
無期《むご》にえ渡ら、つくづくと見るに
菅原孝標女更級日記」11世紀半ば)
  間數玄關まで入れて手狹なれども吹とほし風入りよく廣々として植込木立茂ければ住居うつてつけ見えて場處小石川植物園ちかく物靜なれば少し不便にしてにはなき貸家ありけりはりしより大凡《おほよそ》ごしにも成けれどいまだに住人《すみて》さだまらなきいと空しくなびく淋しかりき何處までも奇麗にて見こみ好ければうちには二人三人拜見とて來るもの無きにはあらねど敷金家賃三十限り取たてにて五十といふ夫れ下町相場とて折かへして來る無かりきさるほどに此ほど朝まだき四十近かるべき年輩《としごろ》紡績浴衣《ゆかた》少しさめたる着て至極そゝくさと落つき無き差配もと來たりて見たしといふ案内して其處此處戸棚など見せてあるく其等こと片耳にも入れで四邊《あたり》靜にさわやかなる喜び今日より直にお借り申まする敷金唯今置いて參りまして引越し夕暮いかにも急速で御座ります直樣掃除かゝりたう御座りますとて何の子細なく約束とゝのひぬ職業問へばいゑ別段これといふ御座りませぬとて至極曖昧答へなり人數聞かれて何だか四五御座ります七八にも成ります始終《とほし》ごたごたして御座りませぬといふ妙な思ひし掃除すみて日暮れがた引移り來たりし相乘りかけ姿つゝみて開きたる眞直に入りて玄關おろしければともともには見えじ思ひしげなれど乘り居たる三十利きし女中一人十八には未だ思はるゝやう病美人にも手足にも血の氣といふもの少しもなく透きとほるやうに蒼白きいたましく見えて折から世話やき來て居たりし差配此人《これ》先刻《さき》そそくさともとも受とられぬ思ひぬ
樋口一葉「うつせみ」1895、冒頭