係助詞

02/03/2016 01:24

係助
[種々の
や文節、活用語連用形などに接続する。多くの事柄の中から、一つのものを取り出して提示するのが本来の用法である。現在では「わ」と発音するが、「は」で表記するのが普通。格助詞「を」、また「ときに」に付くときは、音変化して「をば」「ときんば」の形をとることもある。4.については終助詞とする説もある。近世では「わ」と表記されることが多くなり、現代語で主として女性が用いる終助詞「わ」の源流となる。また、5.については近世初期以降には「は」が音変化して、「くば」「ずば」の形をとることもあり、「ば」を接続助詞と解して仮定条件を表すこともあった。]
1.

判断の主題を提示して、叙述の範囲を決める。

鯨は動物だ。Китът е животно. 私は留学生です。Аз съм чуждестранен студент. 今日はいい天気だ。Днес времето е хубаво. 象は鼻が長い。На слона носът му е дълъг.

2.

或る物事を他と区別して、または対比的・対照的に取り立てて、また、特に一つのものごとをとりあげて提示する
表す
ワインは私が買います。Виното аз ще го купя. レポートはもう出したよ。Доклада вече го предадох. 小雨は降っているが、陽はさしている。Вали леко, но слънцето грее. 頭痛にはこの薬、生理痛にはあっちの薬のほうがいい。При главоболие е добро това лекарство, а при менструални болки - онова. 行きはよいよい帰りはこわい

3.

叙述の内容、またはその一部分を強調して明示する
表す
昼食はたいてい
軽く済ませる これが怒らずにいられようか。Е, може ли да не се ядосаш на такова нещо?! 絶対に私を裏切りなどしなかったし、彼女ともう会わないつもりだ、と彼は言うが、しかしそれが真実でないことを私は知っている。Той казва, че в никакъв случай не ме е предал и че смята да ен се вижда повече с нея, но аз знам, че това не е истина.
4.

文末にあって、
終助詞的に用いられる。終助詞という説も。特に上代では、「はも」「はや」などの形をとることもある。]
感動・詠嘆を表す。ことよ。なあ。よ。
5.

[現代語では「ては」の形で用いられるが、古語では「ずは」「くは」「しくは」などの形をとることもある。]
動作・
作用の順接の仮定条件を表す。ときは。場合は。ならば。
入試問題にミスがあってはならない 先生に見つかっては大変だ 私としては、できればそれは勘弁してほしい

6.

「…(で)は…(だ)が」の形で。]
譲歩の気持ちを表す。
活用語連用形に付くこともある。
一応、考えてみるとは言ってたが、多分彼女はやってくれないだろう まことにご面倒ではございますが、両替のほうはお客様にご自分でなさっていただくことになっております


ずはずば・ては・
ときんば・ はも[連語]・ はや・ わ[終助]・ をば

用例

1.
黒牛潟潮干の浦を紅の玉裳裾引《すそび》き行く誰《た》が妻
2.
夕されば小倉の山に鳴く鹿―今夜《こよひ》鳴かず寝《い》ねにけらしも
 日曜午前十時三階花子部屋ではニコライ堂鐘の音よくきこえた狭い部屋汚ながる山川に対して、花子その思いもかけぬ西洋風な音色だけ自慢できるしたカランコロンと鐘の音のびやかにひびきわたってくるその方角あった少しはなれて建っている裏手三階かくれてドォム見えないなる高々と中空かがやきだすドォム十字架青色ネオンむろんそこからは見られなかった日曜その時刻その目をさますことなければここ有名な教会堂あたりとは気づかぬにちがいないそれほどこの部屋ありさま白々と清潔な延ばしている聖《ひじり》橋や、重々しく四角ばってうずくまる湯島聖堂それに異国風な緑色ふくらんでいる教会丸屋根その一角ひろびろと打ち展《ひら》かれた美しい風景とは似ても似つかぬものであった
死を恐れざるにあらず、死の近きことを忘るるなり
「は[係助詞]」3.用例(1913)
4.
されど、門の限りを高う作る人もありける
歯固めの具にももてつかひためる
あはれ、それを奉り鎮め給へりし
(「大鏡平安後期
すはよいとて追たそ
(「史記抄」1477)
又五十字、百字有る歌もあらうさて
狂言萩大名」)
5.
恋しく形見にせよとわが背子が植ゑし秋萩
験《しるし》なきものを思はず一坏《ひとつき》の濁れる酒を飲むべくあるらし
あらたまの年の緒《お》長くあひ見ず恋しくあるべし
忘れて夢かとぞ思ふ
鶯の谷よりいづるこゑなく春くることをたれかしらまし
(「古今和歌集」913)
もしまことに聞こし召しはてまほしく、駄一疋を賜はせよ
(「大鏡平安後期