「ロンドンとう(ロンドン塔・倫敦塔)」2.用例

08/11/2017 12:38

→「ロンドンとう(ロンドン塔・倫敦塔)2.

用例

南側から入って螺旋状《らせんじょう》の階段を上《のぼ》るとここに有名な武器陳列場がある。時々手を入れるものと見えて皆ぴかぴか光っている。日本におったとき歴史小説で御目にかかるだけでいっこう要領を得なかったものが一々明瞭になるのははなはだ嬉しい。しかし嬉しいのは一時の事で今ではまるで忘れてしまったからやはり同じ事だ。ただなお記憶に残っているのが甲冑《かっちゅう》である。
夏目漱石倫敦塔」1905)
運命は空しく我をして心なき風に訴えしむ。時も摧《くだ》けよ。わが星は悲かれ、われにつれなかれ
夏目漱石倫敦塔」1905)
ポール寺に着した時、二万の群集は彼の屍《しかばね》を繞《めぐ》ってその骨立《こつりつ》せる面影《おもかげ》に驚かされた。
夏目漱石倫敦塔」1905)
また少し行くと右手に逆賊門《ぎゃくぞくもん》がある。門の上には聖《セント》タマス塔が聳《そび》えている。逆賊門とは名前からがすでに恐ろしい。古来から塔中に生きながら葬られたる幾千の罪人は皆舟からこの門まで護送されたのである。彼らが舟を捨ててひとたびこの門を通過するやいなや娑婆の太陽は再び彼らを照らさなかった。テームスは彼らにとっての三途の川でこの門は冥府《よみ》に通ずる入口であった。
「ロンドンとう(ロンドン塔・倫敦塔)」2.用例「た」
「逢う事を許されてか」と女が問う。
「否《いな》」と気の毒そうに男が答える。「逢わせまつらんと思えど、公けの掟《おきて》なればぜひなしと諦《あきら》めたまえ。私《わたくし》の情売るは安きの事にてあれど」と急に口を緘《つぐ》みてあたりを見渡す。
夏目漱石倫敦塔」1905)
「逢う事を許されてか」と女が問う。
「否《いな》」と気の毒そうに男が答える。「逢わせまつらんと思えど、公けの掟《おきて》なればぜひなしと諦《あきら》めたまえ。私《わたくし》の情売るは安きの事にてあれど」と急に口を緘《つぐ》みてあたりを見渡す。
夏目漱石倫敦塔」1905)
「ロンドンとう(ロンドン塔・倫敦塔)」2.用例「よ」
南側から入って螺旋《らせんじょう》の階段を上《のぼ》るとここに有名な武器陳列場がある。時々手を入れるものと見えて皆ぴかぴか光っている。日本におったとき歴史小説で御目にかかるだけでいっこう要領を得なかったものが一々明瞭になるのははなはだ嬉しい。しかし嬉しいのは一時の事で今ではまるで忘れてしまったからやはり同じ事だ。ただなお記憶に残っているのが甲冑《かっちゅう》である。
夏目漱石倫敦塔」1905)
運命は空しく我をして心なき風に訴えしむ
夏目漱石倫敦塔」1905)