ばかり 副助詞

29/04/2015 12:59

副助
名詞副詞活用語連体形、一部の助詞に付く。動詞はか(計)る」の連用形名詞した「はかり」から転じたもので2.が本来の用法とされる。中古では1.2.とも、用言終止形にも付いた。活用語に付く場合、古くは、終止形に接続するのは2.の意を表し、連体形に接続するのは1.の意を表すのが一般であるが、「御官冠《みつかさかうぶり》つかうまつりて死ぬばかりなり」(「竹取物語平安初期)のように、終止形接続で1.の意を表すものや、「時々思ひわかぬばかりの心にては」(紫式部源氏物語平安中期)のように、連体形接続で2.の意を表すもの、などの例外もある。1.中古以降の用法で、中世以降は2.は衰え、「ほど」がそれに代わり、1.は「のみ」よりも優勢になった。近世以降は、限定に「だけ」「きり」が加わるようになる。なお、「ばかり」はくだけた話し言葉では、「ばっかり」「ばっかし」「ばかし」という形も使われ、また、「っぱかり」の形になることもある。]
1.

範囲を限定する意を表す。
だけのみ。изразява ограниченост; само; единствено
あとは清書するばかりだ。Остава само да го препиша на чисто. 大きいばかりが能じゃない いつも怒ってばかりいるвинаги е постоянно е ядосан; непрекъснато само се сърди 今はただ故人の冥福を祈るばかりだ。Сега единствено само се моля за благоденствието на покойните.
2.
おおよその程度・分量を表す。
ほどくらい。изразява приблизителност по отношение на степен, количество и пр.; приблизително; горе-долу; някъде; около
まだ半分ばかり残っている。Някъде/горе-долу половината все още стои/е останала. 10歳ばかりの男の子момченце на около 10 години
3.
[「…たばかりに」の形で
接続助詞的に用いて。][употребява се във формата “…たばかりに” подобно на съюзна частица]
ただそれだけの原因で事態が悪化する、という意を語調を強めて表す…ために。подчертава, че единствено и само по дадена причина положението на нещата се е влошило; само заради; само защото
動揺したばかりに制球が乱れた。Само заради това, че залитнах, изгубих контрол/не можах да направя хвърлянето, както исках. 強行採決をしたばかりに議場が荒れた。Само защото прокараха решението с натиск, в заседателната зала настъпи смут/заседателната зала се разбунтува.
4.
動詞連体形または助動詞」を受けて。]
或る動作が今にも行われようとする状態を表す。изразява състояние, при което дадено действие всеки момент ще се осъществи
いつでも出発できるばかりになっているмога/готов съм да тръгна по всяко време 泣き出さんばかりの顔изражение на лицето, сякаш всеки момент/още малко и ще заплача
5.
[「…たばかり」の形で。][във формата “…たばかり”]
動作が完了してまもない状態にある意を表す。показва, че дадено действие току-що е било извършено; тъкмо; току-що
銀行から引き出したばかりのお金парите, които току-що изтеглих от банката 今出かけたばかりだ。Тъкмо/току-що сега излязох/излизам.
6.
[「…とばかり」「…とばかりに」の形で。][във формата “…とばかり”, “...とばかりに”]
まさに、ちょうど、などの強調の意を表す。
ここぞとばかり声援する 待っていたとばかりに飛び出す

だらけばかりかべい[副助]

用例

1.
「ばかり」1.用例
2.
「ばかり」2.用例
3.
今来むといひし
ばかりに長月の有明けの月をまちいでつるかな
(「
古今和歌集」913)
4.

御衣の御後引きつくろひなど、御沓《くつ》を取らぬ
ばかりにし給ふ
紫式部源氏物語平安中期
ところが或秋の日の暮、虎は猟師の矢を受けて、死なない
ばかりになつて帰つて来たとさ。何にも知らない三匹の子虎は直に虎にじやれついたとさ。すると虎はいつものやうに躍つたり跳たりして遊んだとさ。それから又夜もいつものやうに洞穴へはひつて一しよに寝たとさ。けれども夜明けになつて見ると、虎は、いつか三匹の子虎のまん中へはひつて死んでゐたとさ。
芥川龍之介「虎の話」1925)
5.
 まだもらっばかりよめ勝手その呼んでただ支度出来問うた。よめすぐに起って勝手からかねて用意てあっ杯盤自身運んでた。よめ同じようにきょう切腹するということとうから知ってた。綺麗撫でつけてよいふだん着着換えている。よめ改まった、真面目している同じことであるが、ただよめ赤くなっているので勝手とき泣いことわかる
森鷗外阿部一族」1913)
 数馬こう思う矢も楯もたまらないそこで妻子には阿部討手仰せつけられただけ手短に言い聞かせて一人ひたすら支度急いだ殉死したたち安堵してつくという心持ちでいたのに、数馬心持ち苦痛逃れるために急ぐのである乙名徳右衛門事情察して主人同じ決心したほかには一家うち数馬心底汲み知ったものない今年二十一なる数馬ところ去年来たばかりまだらしい女房当歳女の子抱いてうろうろしているばかりである
森鷗外阿部一族」1913)