でもよい(でも良い・でも善い・でも好い・でも吉い・でも佳い・でも克い) 連語

14/08/2015 15:26

連語
係助詞でも」+形容詞よい(良い・善い・好い・吉い・佳い・能い・克い)」。

でもいいてもよい(ても良い・ても善い・ても好い・ても吉い・ても佳い・ても克い)

用例

 数馬傍輩から、外記自分推してこのたび当らせたのだ聞くや否や即時に討死しよう決心したそれどうしても動かすこと出来ぬほど堅固な決心であった。外記ご恩報じさせると言ったということであるこのはからず聞いたのであるが実は聞くまでもない、外記薦めるにはそう言って薦めるにきまっているこう思う、数馬立ってもすわってもいられぬような気がする自分先代引立てこうむったには違いないしかし元服してからのち自分いわば大勢近習うち一人別に出色扱い受けていないには誰も浴しているご恩報じ自分に限ってしなくてはならぬというのはどういう意味言うまでもない自分殉死するはずであったのに殉死しなかったから命がけ場所やるというのである何時でも喜んで棄てるさきにしおくれた殉死代りに死のうとは思わない惜しまぬ自分なんで先代中陰果て惜しんだであろういわれないことである畢竟どれだけ入懇になった殉死するというはっきりしたない同じように勤めていた近習若侍うちに殉死沙汰ないので自分ながらえていた殉死してよいことなら自分よりもさきにするそれほどことにも見えているように思っていたそれにとうにするはず殉死せずにいた人間として極印打たれたのはかえすがえすも口惜しい自分すすぐこと出来ぬ汚れ受けたそれほど加えることあの外記でなくては出来まい。外記としてはさもあるべきことであるしかし殿様なぜそれお聴きいれになった。外記傷つけられたのは忍ぶこと出来よう殿様棄てられたのは忍ぶこと出来ない島原乗り入ろうとしたとき先代お呼び止めなされたそれ馬廻りものわざと先手加わるお止めなされたのであるこのたび当主怪我するなおっしゃるのはそれとは違う惜しいいたわれおっしゃるのであるそれなんのありがたかろう古い新たに鞭うたれるようなものであるただ一刻早く死にたい死んですすがれる汚れではない死にたい犬死でもよいから死にたい
森鷗外阿部一族」1913)
 住む東京都品川旗の台近辺では子どもたち普通隠れん坊することほとんどないそのかわりに変型した隠れん坊しばしばおこなわれている商店街裏手入り組んだ路地整地小工場跡地まだ入っていない建て売り住宅周り周囲ビル押しつぶされそうな小公園子どもたち呼び方では複数オニとかオニといった隠れん坊変り種生き延びているその変り種なかでもかんけり子どもたち好まれている
 「複数オニとはその呼び名とおり見つかったすべて見つかった時点オニ転じて複数オニ残り隠れている子ども探す隠れん坊である
 「オニ場合立木《たちき》でも一部でもよいオニ決めたオニより早くタッチすればオニなることから免れるただしかんけり違って助かるのはタッチした本人だけである
 子どもたち集まって何かして遊ぼうとするとき隠れん坊しないで複数オニオニすることには見過ごし難い意味ありそうだ隠れん坊藤田省三或る喪失経験――隠れん坊精神史という論文(『精神史的考察平凡社一九八二所収述べたように人生凝縮して型取りした身体ゲームであるオニひとり荒野彷徨隠れるどこか籠るという対照的な構図あるけれどもいずれも同じ社会から引き離される経験でありオニ隠れていた見つけることによって仲間いる社会復帰隠れたオニ見つけてもらうことによって擬似的な世界から蘇生して社会戻ることができる隠れん坊子ども遊び世界から消えること子どもたち相互役割演じ遊ぶことによって自他再生させつつ社会復帰する演習経験失うということであるたしかに複数オニオニおこなわれているけれどもそれらもはや普通隠れん坊退屈さ救うためにアクセントつけたといったていどことではない
 小学六年男の子から聞いた翻案すれば、「複数オニ演習主題裏切りであるオニつぶってかぞえている子どもたちいっせいに逃げるそれぞれ隠れ場所工夫しても同じ方向逃げれば近くいる同士互いにどの辺隠れている知っているそのとき一方見つかれば即座にオニというスパイ変じて寸秒仲間だった隠れ家あばくことになる近く隠れたとの仲間意識裏切り裏切られる恒常的な不安によって脅かされている連帯裏切りとの相互変換半所属不安産み出しその不安抑えこもうとして裏切り者残党狩りいっそう過酷なものなるオニ聖なる媒介者であることやめて秘密警察転じ隠れる一人ひとり癒し難い離隔深めつつ仲間スパイ抱えた逃亡者集団化す
 「オニについてさきほど少年自分だけ助かればよいゲームという
オニ本質いいつくした説明であろう。「なる元来呪的な意味もち集団成り立たせる中心であっただが今日子どもたちおこなうオニでは、「社会秩序そのものであり、「触れること自分守ってくれる秩序へのコミットメント競争場裡獲得すること選良資格手にすることである社会秩序中心私的エゴイズムとを結びつけるため単独行的な冒険ということ、「オニ演習本義なのだ
(栗原彬「かんけり政治学1984
 日本建築寿命短いこれ木造自体耐久性から決まるのではない木造建築でも二百持つ以上持たせること可能であるしかし構造部材メンテナンス必要なので耐久性考える大材用いたほう良いしかし城郭宮殿寺院仏閣でないなかなか大材用いることができない入手難しい加工にも手間暇かかるまた一般的に木造建築火事地震失われること少なくない
 日本人白木新しい建物愛した経つ表面黒ずんでくるそこで余裕ある地震火災遭った勿論ある程度老朽化してくる建て直し周囲その建て主こと甲斐性あるといって褒め称えたしかし建て直すといっても大まかにいえばもと同じもの建つ勿論少し大きくなったり小さくなったり間取り変わったりする見た目大差ないそこで街並み風景長期わたって維持されるしかも木材リユースリサイクルされた
 これ日本独特更新文化呼んでも良いこの典型伊勢神宮である二十ごと隣合う敷地交互建て直される建てられるもの全く同じである建物更新するためには木材必要であり樹木植林によって更新される若木ほう二酸化炭素吸収能力優れているから若木への更新環境上評価できる同時に職人技術更新される更新環境優しく人々仕事与えゆっくりとした変化もたらす優れた文化である
(小西敏正「平成 日本らしさ宣言」2009)