ずにいた(ずに居た) 連語

31/10/2013 11:35

ずにゐた」]
ずに」+いた(居た)」。

ずにいる(ずに居る)

用例

どうぞつかえような言って、長十郎は戴いいつまでも当てて放さずにいた
森鷗外阿部一族」1913)
そうか。それではなったと見える少しだと思ったが、酔っ疲れあっとで、立つ知らずにその代りひどく気分ようなった。茶漬でも食べてそろそろ東光院へ往かずばなるまいお母あさまにも申し上げてくれ
森鷗外阿部一族」1913)
数馬傍輩から、外記自分推してこのたび当らせたのだ聞くや否や即時に討死しよう決心したそれどうしても動かすこと出来ぬほど堅固な決心であった。外記ご恩報じさせると言ったということであるこのはからず聞いたのであるが実は聞くまでもない、外記薦めるにはそう言って薦めるにきまっているこう思う、数馬立ってもすわってもいられぬような気がする自分先代引立てこうむったには違いないしかし元服してからのち自分いわば大勢近習うち一人別に出色扱い受けていないには誰も浴しているご恩報じ自分に限ってしなくてはならぬというのはどういう意味言うまでもない自分殉死するはずであったのに殉死しなかったから命がけ場所やるというのである何時でも喜んで棄てるさきにしおくれた殉死代りに死のうとは思わない惜しまぬ自分なんで先代中陰果て惜しんだであろういわれないことである畢竟どれだけ入懇になった殉死するというはっきりしたない同じように勤めていた近習若侍うちに殉死沙汰ないので自分ながらえていた殉死してよいことなら自分よりもさきにするそれほどことにも見えているように思っていたそれにとうにするはず殉死ずにいた人間として極印打たれたのはかえすがえすも口惜しい自分すすぐこと出来ぬ汚れ受けたそれほど加えることあの外記でなくては出来まい。外記としてはさもあるべきことであるしかし殿様なぜそれお聴きいれになった。外記傷つけられたのは忍ぶこと出来よう殿様棄てられたのは忍ぶこと出来ない島原乗り入ろうとしたとき先代お呼び止めなされたそれ馬廻りものわざと先手加わるお止めなされたのであるこのたび当主怪我するなおっしゃるのはそれとは違う惜しいいたわれおっしゃるのであるそれなんのありがたかろう古い新たに鞭うたれるようなものであるただ一刻早く死にたい死んですすがれる汚れではない死にたい犬死でもよいから死にたい
森鷗外阿部一族」1913)

岡田虞初新誌好きで中にも大鉄椎伝全文暗誦すること出来るであったそれで余程から武芸して見たいと云う願望持っていたつい機会無かったので何にも出さずにいた近年競漕し始めてから熱心になり仲間推されて選手なる進歩したのは岡田この一面意志発展したのであった
森鷗外」1913)
岡田会釈するようになってから余程久しくなってもその身の上探って見ようともしなかった無論様子身なり囲物だろうとは察したしかし別段それ不快に思わない知らぬ強いて知ろうともしない標札見たら分かるだろうと思ったことあるいる遠慮するそうでない近処往来人目を憚るとうとうなっている小さい木札どんな書いてあるずにいたのである
森鷗外」1913)